主題歌

日々是好日

先日テレビから聞き覚えのあるかなり懐かしい曲が流れてきた。昔(たぶん高校生の頃)、テレビで流れていたキリンシーグラムのウイスキー、そうロバートブラウンだ。音楽と記憶、特に物語や品物との結びつきは恐ろしいほどに記憶の襞の奥底まで染み込んでいる。

かつての国民的歌手、松田聖子の歌に「Sweet memories」という曲がある。一部のごく限られた世代の人間にとっては”聖子ちゃんの歌”というより”ペンギン”の方がしっくりくる。あれもサントリービールのCMだったと思うが、ペンギンの女の子がアニメーションに乗せて切ない恋心を歌うような内容だった覚えがある。CMばかりではない。海外の映画なら古いところで「第三の男」やジョンウェインの「幌馬車」、「スターウォーズ」、「E.T.」、「ジョーズ」などなど耳にすればストーリーを彷彿とさせる名曲のオンパレードだ。

一方で日本の映画をみると「男はつらいよ」の寅さんを除けばほとんどテーマ音楽らしいものがない。最近ではアニメ映画の「となりのトトロ」などでテーマ音楽の大切さが見直されているが、邦画のほとんどは上映が始まるとすぐにストーリーが始まってしまうのでテーマ音楽を挟んで物語を分断したくないという監督の思いがあるのかもしれないが、さりとて洋画がストーリーを分断しているとは思わない。このあたりが文化や思想の違いなのかもしれない。もっともテレビドラマやTVマンガでは昔から冒頭に主題歌が流れていたのだからどんな文化の違いなのかも定かではないのだが…。

中学生の頃、ラジオの深夜放送(といっても22:00頃)で日本航空の「ジェットストリーム」という番組をやっていた。ロックや歌謡曲が流れるわけでもなくポールモーリアのようないわゆる”イージーリスニング”がかかるだけだったが、慣れない深夜勉強などするには気が散らなくてよかった。ナレーションをしていたのは城達也さんで、落ち着いた語り口は学校でもファンが多かった。

日本のテレビでは割と古くからテーマ音楽が有名だった。例えば”温泉”の映像が流れる時にはドリフの♪ババンババンバンバン♪のメロディーとともに♪いい湯だな〜♪の歌が流れ、北海道のシーンならドラマ「北の国から」の♪あ〜あ〜あああああ〜♪とさだまさしが歌い、”挑戦者”がテーマになれば中島みゆきも♪風の中のすばるぅ〜♪と熱唱する。日本人はつくづくテーマ音楽が好きなんだなぁと思う。でも邦画にはほとんど”映画音楽”というものがないのは不思議だ。誰かその訳を知ってる人、いませんかぁ〜?

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