上京と帰省

日々是好日

ボクは生まれた瞬間は東京にいたがそれ以後は東京に住んだことがない。それからは神奈川県内を何ヶ所か転々と移り住んだが、大人になってからも実家と同じ神奈川県内から通勤していたのでわざわざ盆だ正月だと「田舎に帰る」こともない。だから進学や就職だからといって「上京」したこともないしましてや「帰省」なんてことを経験したこともない。

だから「上京」するときの覚悟がどれほどのものなのか全くわからないが、生まれ育った土地を離れて「東京」や「大阪」のような大都市に出ていって一人暮らしを始めるということはたぶん人生の一大事なんだろうなとは何となく感じている。

実家を出て一人暮らしを始めた時も友達を頼んで、自分の荷物を引っ越し先のアパートに運んで「それじゃ」と言ったきりである。そんなドタバタ騒ぎだからドラマなどでよくある「辛いことがあったらいつでも帰って来い」と言われたこともないし「オレの田舎」という意識を持ったこともない。

地方で生まれ育ってある程度大人になってから都会で暮らし始めた人に話を聞くと「やっぱり田舎はいい」のだそうだ。田舎のある人は「故郷はいつも優しい」というらしいが、ボクにはその意味がよくわからない。もちろん青春時代を過ごした場所に”地元”という感覚はあるがそれは田舎とは違う。

古い友人や幼なじみもたくさんいるはずなのだが、普段からほとんど近寄ることもないので人間関係は甚だ希薄になっている。たぶん偶然出くわしてもお互いにわからないだろうと思う。学校を出てからの数十年間、一度も会わなかった人がほとんどなので時の流れについていけないと思う。その間に結婚して家族を持った人も多いだろうし女の子はとっくにお嫁に行ってその子供がすでに独り立ちしていたりする。

そんなボクが今さら、そんな土地に行って「オレの故郷だ」というのも場違いだろう。それでも田舎に帰りたがる友人たちを見ていると「田舎っていいものなのかもしれないな」と思う時もあるのだ。

田舎のある人に訊いてみたい。実際はどうなんですか?

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