朝の情報番組もこの1〜2ヶ月はほとんどが過去の放送の焼き直し(ちょっと編集した再放送)ばかりになっている。そんな中でクイズをやっていた。当然以前に放送していたものだ。たぶんボクもその放送を見ていたはずなのだがクイズの答えをさっぱり思い出せない。全部忘れている。そっともその方が再放送でももう一度楽しめるのだからお得なのだが、情報番組の価値としてはどうなんだろう?
情報番組はおそらく、視聴者に情報を伝えることで生活の中に潤いをもたらしたりお得で便利なことを伝えることを目的としている(のだと思う)。ところが伝えられたはずのボクはそのことをすっかり忘れている。つまり何も伝わっていなかったわけだ。もちろん頭のいい人にはちゃんと伝わっていたのだろうが、全く伝わらなかった人もいたということだ。その証拠がボクだ。
テレビのクイズ番組なんかで答えを発表する段になって、「答えはA、ではなくてその後ろにあるC、と思わせて…」と番組の尺を稼ぐようなことをする司会者がいる。自分では”ウケている”と思っているのかどうか知らないが、見ている方からすればウザったいだけだ。「さっさと答えを言えよ!」という気分になる。「答えはCMの後で」ならCMを見て欲しいスポンサーに義理立てしているのだから仕方がないが、もったいぶるだけのやり方は時間の無駄でしかない。
そもそも本当に答えが知りたくて番組を見ているのなら自分の知識を増やして「クイズ王」や「雑学王」になるためには重要なインプットだ。ところがあとになって思い出そうとしても、勘違いさせるように選択肢を並べられても結局どれが正解だったのかさえ曖昧になる。クイズ番組にそんなインプットを期待している人はいないだろうが、普段の生活の中で相手に何かを伝えようとするときには重要な問題になる。
そもそもクイズ番組の答えが真実なのかという問題はさておき、選択肢や正解の印象は一番最初に耳にしたことが一番インパクトがあり2番目以降に聞いたことの印象は次第に薄れていく。だから「正解は3、ではなくて…」などとやられると普通の人はどれがどれだかわからなくなってしまう。学校の歴史の時間に「鎌倉幕府の成立は1523年、なわけはなくて794年、でもなくて、はい、正解は1192年、だと思う人?」などとやられたら聞く気も失せてしまう。歴史の流れなどどうでもよくて年号だけ覚えさせるなら最初に1回だけ言うべきだ。
同じようにテレビの情報番組の中などで制作者側が本当にその答えを視聴者に伝えたいと思ったのなら、答えは選択肢などにしないで問題を出した後に間髪を入れず1つだけ答えをを言った方が記憶に残る。それでなくても正解のように思える選択肢を並べられたら後になって結局はどれが正解だったのか思い出そうとしても思い出せない。
いや、テレビの番組などそんなに真面目に見ている人などいないだろうから、番組に内容などすぐに忘れてもらったほうが今のように再放送に頼らなくてはいけなくなったときには好都合なのかもしれない。もしかしてテレビ局の人がこのような事態を想定して番組を作っていたのだとしたら、素晴らしい予知能力だと尊敬してしまうやろ!
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