NHKの報道特集番組を見ていたら、「情報はファクトチェックが大切だ」と言っていた。つまり情報をなんでも鵜呑みにするのではなく”裏を取る”ことが大切だということだ。この意見には同意する。なんの根拠もないことを鵜呑みにすればデマなどすぐに拡散する。
新型コロナのワクチン接種で、若い人たちの間にデマが広がっているのだという。曰く、「ワクチンを打ったら10年後に死ぬ」だとか「不妊症になる」などというものだ。事の真相はわからないが、ワクチンを打ち始めてからまだ何年も経っていないのに「10年で死ぬ」という話にはなんの根拠もないことくらいはすぐにわかることだ。
人は自分に害が及んだり不安にならされるような情報には敏感だ。かつて大正時代に関東大震災が起きた直後に、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」というデマで多くの罪もない朝鮮人が虐殺されたのだという。ひどい話だ。冤罪もいいところである。しかも結果は大衆によるリンチで人が殺された。
デマかどうかを判別するための根拠を探すことはなかなか難しい。真相がわかっている人などほとんどいないからだ。どんなことでも一次的な情報に触れている人などほとんどいない。基本的に一次情報というものは現場にいてそれを直接見ている人にしかわからない。今では写真や動画も誰がどこで加工しているかわからない。それをなんの疑いもなく信じてしまえばデマはすぐに拡散する。
「だから真実はNHKで!」と番組では言っていたが、NHKだって政府や政治家から裏でどんな圧力を受けているか知れたものではない。NHKだからといって簡単に信じることもある意味で危険なことだ。それに報道というものは”誰が言ったこと”なのかでその中身は大きく違ってくる。先日も書いたが情報というものには必ず発信するものの意図が含まれている。自分が都合いいことだけを発信する。
賛成にしろ反対にしろ、コロナのワクチン接種の情報にどんな意図があるのかはわからない。だがファクトはわからなくても常識や過去の知識から「これは怪しいぞ」「眉唾物だな」と感じることはできるはずだ。NHKのバラエティ番組でもチコちゃんは言っている。「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と。ただチコちゃんが言っていることにもかなりの割合でウソが含まれていることをあなたは知っているだろうか?
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