ウルトラマンは悪い宇宙人から地球を守るのが使命だったが、仮面ライダーの相手はショッカーだった。ショッカーは普段から幼稚園バスなどを襲撃するのが常だったが、それでどうやって世界征服を目論んでいたのか子供ながらにどうも道筋が見えなかった。今でもウルトラマンや仮面ライダーが続いているという話も聞くがここ40年ほどはテレビで放送されている痕跡すら見たことがない。それでも最近ではウルトラマンや仮面ライダー出身(?)の若手イケメン俳優さんがママたちに人気だというからどこかでやっているのだろう。
サイドカーといって頭に浮かぶのは「人造人間キカイダー」だ。あの頃の男の子はウルトラマンなどと並んで仮面ライダーやキカイダーなどのヒーローに釘付けだった。中でもキカイダーの愛車はサイドカー付きのオートバイだった。
サイドカーは”側車”のことでオートバイに取り付けて使われる。古い戦争映画などでも日本軍やドイツ軍の兵隊がサイドカー付きの二輪車を運転する姿が見られる。サイドカーにはエンジンが付いていないので単体では走ることができない。だから安いのかと思うとバイク本体よりも高かったりする。ボクはサイドカー付きのバイクを運転したことがないのだが、車幅はバイクの2倍以上あるので道路を走行するには注意が必要なのだそうだ。
運転しているのはバイクに乗っている人である。狭い隙間や左側に障害物があると生き物の本能で自分が乗っているバイクだけはぶつからないようにしようとして避けるのでサイドカーだけが障害物にぶつかる。だからサイドカーに乗るのはかなり危険なことらしい。かつてはサイドカーに乗った人だけが犠牲になる事故が多発したのだという。運転する人はほとんどが男性。サイドカーに乗る女性が犠牲になる事故が多かったらしい。
「サイドカー」と聞いてカクテルを思い出す人もいるのではないだろうか。ブランデーにコアントロー、レモンジュースを混ぜてシェイクする。飲み口は優しいが度数は高いので不覚をとりやすいカクテルだ。スピリッツをブランデーからラムに変えるとXYZ、ウォッカにすればバラライカ、テキーラにすればマルガリータ、ジンで作ればホワイトレディになる。ちなみにピンクレディはジンベースにグレナデンシロップ、レモンジュースと卵白を加えてシェイクしたものだ。かつてのアイドル「ピンクレディ」はこのカクテルの名前から付けられたと言われている。
かつてボクはカクテルにハマっていた時期がある。冷蔵庫には5~6種類のスピリッツと20種類くらいのリキュールを揃え、シェーカーやミキシンググラス、メジャーカップやカクテルスプーンも買った。しかしカクテルは一人で飲むものではない。ましてや自宅で自分で作って自分で飲むのではまったくもってツマラナイ。1杯のカクテルを飲み終わっても「次は何になさいますか?」と聞いてくれるバーテンダーもいない。自分でシェーカーやメジャーカップ、グラスを洗って次のカクテルなど作る気にもならない。なんせ酔っぱらっているのだ。
次第にリキュールとカクテルすることもなくなりオンザロックでスピリッツばかりを消費するようになる。戸棚の中はリキュールだけが残る。しかし酒飲みが甘いリキュールだけを飲むのは辛いのでまったく減らない。そうこうしているうちに5年ほどでカクテル熱は醒めてしまった。ホテルや有名なバーを巡ることもなくなった。
一般的なカクテルはどれもスピリッツ(蒸留酒)をベースにしているので度数は高い。つまり深酒をすると酔いつぶれやすい。女性を酔わせて酔い潰してしまう。サイドカーの座席で犠牲になった女性たちに掛けて”女殺し”のカクテルを「サイドカー」と呼んだという話も残っている。
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