オンライン帰省

コミニュケーション

緊急事態宣言で外出の自粛が叫ばれる中、先日、仲間うちでネット飲み会をやった。パソコンやスマホ・タブレットなどでオンライン上で顔を見てみんなとワイワイ話しをしながら、それぞれに料理やお酒を用意して開催する飲み会である。以前はそんな飲み会なんてつまらないだろうと思って興味もなかったのだが、実際にやってみるとこれがまた思いのほか楽しいのだ。

なんといってもわざわざ飲みに出かけて散財する危険(?)がない。飲むのは自分の家なのでベロベロに酔っ払っても他人様に迷惑をかける心配もないし、眠くなればその場で寝てしまっても大丈夫だ。それに北海道から沖縄まで、遠くに住んでいる友達とも気軽に話しをしながら飲めるのは普段の飲み会にはない醍醐味である。

ボクは20年以上前のパソコン通信の頃から時々チャット飲み会はやっていた。それがテレビ電話のようになっただけで特に違和感はない。参加した友人たちも元々ITスキルは比較的高い人ばかりだし普段の連絡なども昔からメールやSNSなどのネット上で済ませてきた人たちなので特に困ることはなかった。そんな今の状況で安倍チャンは「GWにはオンライン帰省をしましょう」と言いだした。

実のところボクは生まれてこのかた「帰省」というのをやったことがない。実家は県内で比較的近いので行こうと思えばいつでも行ける。しかしそう思っていると結局は行かないもので、家を出た20歳の頃から今までの間に実家の敷居を跨いだのは数回に過ぎない。それもお正月やGW、お盆に行くことはない。実家のある三浦半島は道が狭い上に、江ノ島などがある湘南海岸や鎌倉を通過しなければならないので観光客で混雑する時期には近づかないようにしている。そして今はほぼ寝たきりの母親とボケてしまった父親がいるばかりでオンライン帰省という流行にも乗れない。(その気もないのだが)

それでも安倍ちゃんは言う。「オンライン帰省をしましょう」と。しかしこれが80代、90代の年寄り相手となると今の現役世代の感覚ではなかなか難しい。携帯電話会社のCMではお爺ちゃんやお婆ちゃんが孫と楽しく話す様子が流されたりするが、スマホやタブレットにはアプリのインストールや設定がどうしても必要だ。「アカウントにサインアップして」「サインオンして」「オーディオを有効にして」「ビデオを有効にして」というような作業を自分たちだけでできるとは思えない。

誰か他に家族でも同居していれば全部設定したタブレットを渡して「はい、電話がかかってきたらこのボタンを押すんだよ」、「画面に〇〇ちゃんの顔が映ったらお話しするんだよ」と世話をすることもできるが、今の時代のように年寄りだけで暮らしている家ではお手上げだ。手取り足取り教えても機械やアプリの設定、アカウントの申込みなど一人ではできない。「一度帰ってきたときにやってくれ」ということになる。オンライン帰省をする前にオンサイト帰省をしなければならないのが関の山だ。

そもそも安倍チャンだってそんな設定を自分でできるとは思えない。面倒なことはすべて取り巻きの部下に命令して業者にやらせているはずだ。首相補佐官が「総理、高価なお部屋の中でこれ(タブレット)を持って犬を撫でながらお話ししていただければ結構です」などと言っているに違いない。それを国民に向かって気軽に「オンライン帰省にして欲しい」などと言えたものである。自分が辺鄙な田舎で一人暮らしをしていたら自分一人でできるのか?と言いたい。すぐに誰かを呼びつけるに決まっているのだ。

「国民に寄り添う」などと言っておきながら国民の気持ちなど全く理解しようともしない。彼には選挙と自分の名声だけが大切なのだ。非現実的なことをカッコつけて言いたがるのはアベシンゾウの一番悪いところであり、人柄が信用できない所以なのだということをあの男はこんな状況になっても全く気づいていない。

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