エビフライと天ぷら

コミニュケーション

先日テレビのバラエティ番組で、男性のタレントだか俳優だかがエビフライの写真を見せられて「これは何?」と聞かれて「エビの天ぷら」と答えていた。司会者に「これはエビフライですね」と言われると、「あぁそっちかぁ、言い方が違ったんですね」とヌケヌケと言っている。エビフライとエビの天ぷらは違う料理なんですけどねぇ。

これではお笑いネタにもならないからモノを知らないただの非常識な人間の話なんだろうが、最近ではリアルの世界でも本気で言っているのかウケ狙いで言っているのかがわからなくて受け答えに困ってしまうこともある。生きてきた世代が20年も30年も違えば世の中はすっかり変わってしまうので、和式トイレが使えなかったりダイヤル式の電話が使えなかったり水道の蛇口が捻れなかったりガスコンロの火がつけられなかったりしても、もはや驚くに値しない。

でも天ぷらもフライも世の中には今でも普通にあるし見た目も違う。その区別がつかない人は今までどんな人生を送ってきたんだろうと、野次馬根性だけで興味を持ってしまう。何に対しても興味を持たず知ろうとも思わないのはどういう精神構造なんだろうと思う。新しいことや知らないことに出会えば誰でも少しばかりは興味を持たないだろうか。本当は知らないのに「あーあー、それかぁ」と知ったかぶりしてしまったら、「あぁ、この人はもう知っているんだな」と思って他の人もそれ以上のことは話してくれないだろう。そうやって”知るチャンス”を無駄にしてしまったのかもしれない。

人は誰でも本能的に「他の人より優れていたい」と思っている。だから自慢話を始めるといつまで経っても延々と続く。でもそれを「しつこいなぁ」と思ってしまったら”知るチャンス”を逃してしまうことになるかもしれない。ほとんどは聞いたことのある話や取るに足らない自慢話でも、その中にほんの少しでも自分の知らないことが混じっていたとすれば、玉石混交の中から輝く宝石を見つけ出すきっかけになるかもしれない。

エビフライと海老の天ぷらの区別がつかない人は、きっと食べても味の違いがわからない人なんだろうなぁ。

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