タピオカミルクティーが流行っているのだという。そういえば何十年か前にもタピオカが流行ったことがあったっけ。あの時は試しに飲んで(食べて?)みたけどさして美味しいものでもなく、いやどちらかといえばカエルの卵っぽくて気持ち悪かった記憶だけが残っている。近頃街中で見かけるそれは大粒でコーヒー色のようで昔のタピオカとは違うのだろうけど、所詮はタピオカには変わりないので敢えて飲んでみようとは思わない。しかし今の若者にとってみれば以前のタピオカブームなど伺い知ることもできないのだから物珍しさも手伝って流行っているのだろう。
最近の流行が昔と違うのはSNSがあることだろう。以前ならアンアン・ノンノのようなファッション雑誌の特集記事から徐々に流行が広がっていったのだろうが、今ではSNSで一瞬のうちに拡散する。一気に全国区の流行になる。一瞬で拡散してたくさんの同志ができるから流行もある程度長く続く。「みんなと一緒」になれるわけだ。
でも年は越えないのが不思議だ。ヒット曲も人気歌手も人気芸人も、新年を迎えるとあっという間に萎んでいく。去年流行った芸人でも翌年になってしまえば「あーあー、そんな人いたよねぇ。懐かしぃー、今何してんだろうね」などといわれてしまう。恐らくはクリスマスや年末年始のバカ騒ぎでそれまでの流れが断ち切られてしまい、新年になったとたんに「え~まだそんなの追っかけてるんだぁ」などとバカにしたように言われてしまうから、みんなからノケ者にされてイジメに遭わないように自分も流行を乗り換えていくのではないだろうか。
過去にもナタデココやティラミスなどが流行った時期があった。ティラミスは以前からあるイタリアのデザートだから流行が去ったからといってなくなってしまうことはないし今でもイタリアンレストランのデザートとして普通に提供されている。それにしてもつまんないものが流行るんだなぁと思う。こういった流行には必ずだれか仕掛け人がいて、昔だったらテレビや雑誌などだったが、今では人気ブロガーやユーチューバーが1枚噛んでいるのだろう。彼らは商品そのものには何の思い入れもないからその後廃れようがどうなろうが関係ない。一瞬でも注目さえ浴びればビジネスとして成り立つわけだ。
「うまいんだな、これが」と好きでもないのに流行に乗って言っているだけのものは、流行りが終わればあっという間に忘れられて廃れてしまう。それでも流行を超えて残ってきたものはコアな一定数のファンの共感を得たある種の”ホンモノ”といってもいいのかもしれない。ただそれはもはや流行ではないからこれから爆発的に流行することは少ないのだ。
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