ないものねだり

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大都会に住んでいる人は大自然がいいと言い田舎に住んでいる人は都会の人混みに出たがる。どちらもないものねだりだ。でも大都会に住む人が田舎に引っ越せば「何もなくて不便だ」と言い、田舎の人が東京に住めば「都会の人は冷たい」と不満を漏らす。人はいつも自分が持っていないものを欲しがる。隣の芝生は常に青い。どちらにもいいところがたくさんあるのに悪いところばかりを見てしまう。

なんでもそうなのだが要するにバランスだ。そして自分のいる環境を一気に変えてしまうとそこには強烈なストレスがかかる。大学に入学したり就職や転勤で地方から都会へ、または都会から地方へ生活の拠点が変わることはある。

住むところが変われば生活スタイルもそれに合わせて変えなければならない。朝方の生活から夜型になることもあるし好き勝手していた暮らしが制約だらけになることもある。高給取りが生活ギリギリの収入になることもある。

もっとも収入が激減したからといって生活が辛くなるとは限らない。言われるがままにやりたくもない仕事をさせられるより、自分が「やる価値がある」と思えることを前向きな気持ちでやった方が人生も充実することはある。

「何もない」と思っている田舎の退屈な生活からエキサイティングな都会に出て、強烈な刺激を受けながら自分を高めている人もいるだろうし、窮屈な都会の暮らしの中で精神を消耗して心身ともに疲れ切ってしまった人が田舎で農業を始めて、自然や地域の人とのつながりの中で自分の価値を再発見することもあるだろう。

今、自分の立っている場所をどう感じるかはその人の今の気持ちによって大きく変わる。その場所で「誰からも必要とされていない」と思えばその場所はつまらない場所に思えるだろうし、誰かの役に立てているかもしれないと思えば同じ場所でもとてもやりがいのある場所になる。気持ちの持ち方一つで同じものも全く違って見えることがある。

できることなら何に対しても「つまらない場所」と決めつけないで角度を変えてみれば、自分にとってとても楽しいやりがいのある場所に変えることができるかもしれない。

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