名刺交換をすれば最近はほぼ間違いなくメールアドレスやWebページのURLが書かれていることが多い。30年ほど前からインターネットの普及とともにホームページを持つ企業が増えた。その後しばらくすると個人でもホームページを立ち上げる人が増えてきた。ボクの周りでも半数近くの友人が自分のホームページを持っていた。
初期の頃の企業ページは連絡先、沿革や理念が書かれているくらいでほとんど役に立っていなかったし見る気にもならないものばかりだったのだが、個人で立ち上げたホームページには趣味の写真やネット掲示板などがあってコミニュケーションにもそれなりに役立ったものだ。もっともネットへの接続回線はアナログの電話線だったので写真などを見ようとすれば膨大な電話代がかかったものである。
それはさておき、そんなネットに深く入り込んだ友達との連絡にはほとんどの場合メールを使うようになった。今のようにSNSがなかった時代だ。ところが届いたメールを確認するには今のように常時接続などなくアクセスポイントに電話をかけて接続する必要があったのでチェックするタイミングも多い人で日に数回、普通の人なら週末にまとめて確認する程度だった。
だから急ぎの連絡をするときには電話をかけるかメールを送信しておいてから「メール送ったからチェックして!」と電話をかける必要があった。今では考えられないような時代だった。しかしそれはADSLや光回線の常時接続、スマホの普及によって形を変えていく。今では電話をかけることはほとんどないがお役所や高齢者には電話が普通だ。それでも携帯電話を持つ高齢者も増えてきたのでかつてのようなストレスは少ない。
ところが今では連絡手段に電話かSNSを含むメールを選ぶのに気を使うことがある。電話をかければその瞬間の相手の時間を奪うことになるからだ。電話がかかって来ればよほどのことがない限り今の作業を中断して電話に出ることになる。つまり相手の時間を強制的に束縛することになる。だから今では携帯に電話がかかってくると「今、お時間よろしいでしょうか?」と相手に尋ねるのが暗黙のエチケットだ。
自分はヒマでも相手は重要な商談の最中かもしれない。そんな時に大したようでもない電話を受けるのは迷惑な話である。でもメールやSNSなら後で時間ができた時にゆっくりと確認することができる。どちらにもメリットとデメリットがあるが相手によってどちらにすべきか悩む人は多いのではないだろうか。
それは相手のITリテラシーや年齢、普段の仕事や生活スタイル、どれくらいの間その相手と会っていなかったかや友達付き合いの濃厚さ、今すぐ返事が欲しいのかまだ余裕があるのかなどによって連絡手段を使い分ける必要が出てきた。ボクにとっては緊急度でいえば、
電話 > SNSやSMSのメッセージ > メール > SNSへの書込み
の順番だ。しかしその内容が複雑で誤解を招かないようにしようと思えばメールを打ってからSNSのメッセージを出すということになる。また緊急の要件でなくても軽い「ありがとう」や「了解!」程度ならSNSを使うことが多い。中にはLINEやメッセンジャーで途方もない長文を送りつけてくる人もいるが大抵はITリテラシーの低い人である。
そんなところでも自分は評価されているかもしれない。ゆめゆめ「LINEしとけばいいだろ」などと考えない方が良さそうである。
どれがいいのかを考えてしまう
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