『STAND BY ME』

文化

テレビで「STAND BY ME」をやっていた。あの有名な映画だ。その主題歌は誰もが知るところだが元々は1960年代にヒットした曲で映画のために書かれた曲でないことも多くの人に知られている。映画が制作されたのは1980年代のことだ。この映画は多くの男の子たち(昔は男の子だったオジサンも含めて)の支持を浴びて有名になった。

ストーリーはもう誰もが知っているだろうからネタバレにもならないだろうが、小学生の男の子が友達同士で3日間の小さな冒険に出かける話だ。その小さな冒険が子ども(特に男の子)に”大人への階段”の入り口を示したことで、冒険から戻ってきた時には自分たちの暮らしている町が出かける前より小さく見えたという。子どもの頃に遊んだ路地を大人になってから訪れた時、あまりの狭さに驚いた経験のある人も多いだろう。子どもの視野は如此く狭い。

ところで先日、別のテレビ番組で「映画をエンドロールまで見るのは日本人だけ」だと言っていた。欧米でもアジアでも中南米でも映画館ではエンドロールが流れ始めると館内が明るくなってお客は席を立つのだという。一方で日本の映画館では物語が終わってエンドロールになっても館内が明るくなることはない。もちろん早々に席を立つ人はいるがほとんどの客はエンドロールが終わって「映倫」のマークが出るまでは席に着いたままである。

おそらく日本人にとっての映画は館内が薄暗くなって予告編に始まり最後のエンドロールまでが一つの物語なのかもしれない。そしてそのすべてを味わい尽くさなければ気が済まないのだ。それにエンドロールには映画の余韻を楽しむ時間がある。物語に没入していた自分を現実世界に引き戻す時間だ。映画の世界から突然白昼に放り出されれば心臓発作を起こしかねない。

しかし外国の人は余韻などお構いなく外の世界に飛び出していくのだという。するとこの映画でも最後に流れる主題歌を最後まで聴かずに席を立ってしまうのだろうか。それでは余韻を楽しむ時間もへったくれもないじゃないかと思ってしまうのは、ボクが日本人だからなんだろうか。

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