「手作り」の神通力

道の駅や農産物直売所、デパ地下の食料品コーナーでは「手作り」と銘打った品物がたくさん並んでいる。手作りジャム、手作りクッキー、手作り豆腐、手作り醤油、手作り味噌、手延素麺、手作り梅干し、手作りキムチ、手作りチーズ、手作りヨーグルト、手作り惣菜…、いくらでもある。おそらく「手作り」をセールスポイントにしたいのだろうがほとんどのものに「手作り」と書かれているのでまったく差別化になっていないしセールスポイントにもなっていない。もっとも買い求める消費者にしたところでそれが手作りかどうかなんてまったく気にしていない。逆にすべてを機械だけで作っているものなどそんなにないはずだ。作る過程のどこかで人の手による工程が入っていることが多く、逆の意味でそれも手作りと呼ぶべきではないのかと思ったりもする。でも今まで「手作りスマホ」などという広告は見たことがない。

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お客様の気持ちになること

何にでもケチをつけてクレームを付ける人がいる。ほとんどは取るに足らない些細なことで、どうしてそんなことですぐに腹を立てるのかと思うことがほとんどだ。しかし一方で「どうしてそんなこともわからないんだ」と思うようなダメなサービスも見かける。それは経験不足で拙いとかそういうことではない。人は初めてやることは初体験だ。誰も2度目から始めることはできない。経験が浅いうちは誰でも拙いし仕方がない。自分にもそんな過去があったはずなのにそれを忘れて腹を立てるのはお門違いというものだ。

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第三極の意義

かつて日本には3つの大きな航空会社があった。日本航空、全日空、東亜国内航空だ。テレビドラマの「北の国から」をやっていた頃、北海道の旭川空港には道内便を除けば東亜だけが飛んでいた。だから古いビデオには「協力 東亜国内航空」のクレジットが残っているとはずだ。東亜国内航空はもともと各地に路線を持っていた中小の航空会社が合併してできたものだったらしい。僕が生まれる以前の話だ。僕が物心ついた頃には「東亜国内航空」の名前で主に国内の羽田や大阪とローカル空港を結ぶ赤字路線やローカル空港同士を結ぶ超赤字路線を多く抱えていた。そのうちに経営が立ち行かなくなり”破綻”だ”倒産”だとの噂もあったが、日本政府が1県1空港の箱物を推進していた矢先でもあり、ローカル空港の路線をなくすべきではないという大義名分のもとに日本航空(JAL)に買い取らせた。その名残は「日本トランスオーシャン航空」や「北海道エアシステム」「琉球エアコミューター」などのJALグループ各社に残っている。

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どうぞ食べてみて下さい

最近ではメーカーの販促費削減の影響かめっきり少なくなったが、スーパーやデパ地下に行くと冷凍食品などの試食販売が行われていることがある。売る側から見れば一口でも食べさせてしまえば美味しかろうが好みでなかろうがお客に「貰って食べてしまった」という恩を売って商品の売上を少しでも増やそうという魂胆だが、このやり方はかなり効果のある方法だった。だった?そう一時は試食販売全盛時代が続いたがあまりにも多くなりすぎて消費者もあまりありがたいとも思わなくなり”恩を着せる”という効果があまり威力を発揮しなくなってしまった。”タダでくれるありがたみがないもの”に成り下がってしまったわけだ。もっとも試食はお腹を満たすものではない。

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カネの亡者

バブル景気の頃、日本では世界の有名な絵画を全国の美術館や自治体が買い漁っていた。バブルが崩壊してほとんどの作品は売り払われてしまったが、まだいくつかは日本に残っているという。当時ボクが思ったのは日本人に限らず「買う人はその絵が好きなのだろうか?」ということだった。何億円も出して買う絵である。その金額に見合うほどその絵が好きなのだろうかということだ。オークションで手に入れた時にはニュースでも騒がれたが売り払った時には話題にもならなかった。きっと金のためだけに売ったからだろう。絵に対する愛着などなかったのかもしれない。

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ハラスメント全盛時代

ちょっと前からハラスメントがブームになっている。ネットで調べても、

セクシャルハラスメント(セクハラ)、セカンドハラスメント(セカハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)、就活終われハラスメント(オワハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)、アルコールハラスメント(アルハラ)、ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)、アカデミックハラスメント(アカハラ)、リストラハラスメント(リスハラ)、テクスチュアルハラスメント(テクハラ)、キャンパスハラスメント(キャンハラ)、スクールハラスメント(スクハラ)、ドクターハラスメント(ドクハラ)、カラオケハラスメント(カラハラ)、スモークハラスメント(スモハラ)、ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)、テクノロジーハラスメント(テクハラ)、エレクトロニックハラスメント(エレハラ)、エイジハラスメント(エイハラ)、シルバーハラスメント(シルハラ)、マリッジハラスメント(マリハラ)、ペットハラスメント(ペッハラ)、スメルハラスメント(スメハラ)、エアコンハラスメント(エアハラ)、ソーシャルハラスメント(ソーハラ)、家事ハラスメント(カジハラ)、ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)、パーソナルハラスメント(パーハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)、ラブハラスメント(ラブハラ)、レイシャルハラスメント(レイハラ)、レリジャスハラスメント(レリハラ) 、ヌードルハラスメント(ヌーハラ)、フォトハラスメント(フォトハラ)、カスタマーハラスメント(カスハラ)、ハラスハラスメント(ハラハラ)…

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オレは人の役に立てているのか?

「オレって凄くない?」と天狗になってみたり「やっぱり何もできないダメな人間だ」と自分を卑下したり、気分が浮き沈みすることは時折経験することだ。事実、過去の人生の中で「あのときはどうしてあんなことが出来たんだろう」ということがあったり「何をやっても上手くできた試しがない」と下を向いたこともある。どちらもボクなのだが時々の気分によって前向きになったり後ろ向きになったりする。それにしても客観的に自分のことを見て評価するというのは難しい。

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ファンシーグッズが街にあふれていた頃

横須賀は幕末にペリーが黒船でやって来た港であり、旧日本海軍の基地として栄えた街である。戦後は基地を米軍に接収され、市内の平らな土地のほとんどが米軍基地であり日本人は山の急な傾斜地に張り付くように家を立てて住んでいる。国鉄(現在のJR)横須賀線は軍港に砲弾や船の燃料、資材などを運ぶために国が整備した鉄道であり国鉄の横須賀駅は軍のために作られた駅である。ちょっと前まで駅の周辺にはほとんど店もなく臨海公園という公園と閑散としたバスのターミナルがあるばかりの廃れたところだった。横須賀市民にとっての市街地といえば私鉄の京急(京浜急行)横須賀中央駅であり、市民は大人も子供も「中央(ちゅーおー)」と呼び、買い物に行くにも、外食するにも、映画を観るのも”中央”に行くのが常だった。

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人間が進化することと学習すること

しばらく前から生物の進化についてちょっとしたヒントをもらって考えることが多くなった。以前ここにも書いたが、「進化」というとダーウィンの進化論があまりにも有名で一般社会では「適者生存」だけが金科玉条のように唱えられている。それはビジネスの世界でも「変化する環境に対応できない会社は淘汰される」などと言いかえられて使われたりしている。しかし実際の「自然界での進化」ということに限ってみてみると、その時の環境では適者だった生き物(種)が環境の激変によって絶滅してしまった例も少なくない、というよりも絶滅という事態に関しては環境の激変が大きな要因と考えられており、自らの体を環境に合わせて進化させる間もなく絶滅してしまったと考えるのが妥当だと考えられている。そして地球上に生命が誕生してから今に至る間に、恐竜などで知られているように、この世に存在したことのある種の99.9%はこのような要因によって絶滅しているのだ。

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ボクはいつまで自分探しをするのか

地図で県内で一番標高の高い山を探すときのことを考える。まずは地図の端から全体を見回して高い山がありそうなところを広範囲にざっと見てみる。そして次に高い山が集まっていそうなところに絞って狭い範囲を丁寧に探していく。一つの山脈について一番高い山が見つかったら次の山脈を探してみる。そこで一番高い山が見つかったら次の山脈を探してみる。山脈や独立峰を探し終わったらそれらの中で一番高かった山を比較して県内で一番高い山を決める、というようなことをするのではないだろうか。人は普段はそんなことを意識しなくても自然にやっているが、それを理論的に説明すると「学習率」という概念になる。

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