ちゃんと見ない人は失敗する

しょっちゅうスマホを落とす人がいる。手に持ったお皿やカップもすぐに落として壊してしまう。会議中に持ち込んだ紙コップのコーヒーをこぼしたりレストランでグラスを倒したりする。何でだろ~?
その人をよく観察してみるとわかるが、何をするときにも手元をちゃんと見ていない。

「手元を見ないでササッと終わらせられるのはカッコイイ」と思っているが、手元を見ないでやろうとして失敗するのはとてもカッコ悪いし却って能率が悪い。失敗の後片付けをしなければいけなくなるからだ。
アニメの主人公には大抵スーパーマンのようなスポーツ万能、成績優秀なイケメンが登場する。ある日転校生としてやってきて最初はクラスに馴染めない風なキャラを演じながらも、ひとたびサッカーやバスケをやらせると度肝を抜くような才能があり、キャプテン翼くんのようにみんなから一目置かれる存在になる。

たしかにこれはかっこいい。いきなり何でもできるのだから。それもさり気なく。でも僕たちは決してアニメの主人公ではない。小学校に入る前からキャッチボールをし、毎日1時間の素振りをし、公園のゴールで一人シュート練習をし、テニスコートでは一人サーブ練習と壁打ちを繰り返す。コードを抑える左手の指のマメが潰れて血が出てもギターを弾き続けて、それでやっと人並みになるのだ。
球技なら何でも「ボールをよく見ろ!」と言われ続ける。ボールをよく見る人だけが人並み以上の才能を開花させる。すべてのことは「よく見る」ことが基本のキだ。人並み以上になった人はもっとよく見るようになる。

なのに最初からよく見ない人がいる。コーヒーを飲もうとカップに手を伸ばすが手元を見ない。伸ばした手はカップのあらぬところにぶつかって倒れる。テーブルの上の書類もパソコンもスマホもびしょ濡れになる。そんな人は自分の何がいけないのかに気づかない。だからお皿も落として割るしスマホの画面はいつもヒビだらけだ。

99.9%の人間は凡人だ。超能力も持っていない。せめて何かをやろうとする時くらいは自分の手元くらいはよく見ようではないか。