いつの時代にもイケメンはいるものだ。テレビなど見ていてもかっこいい男の子はいくらでもいる。ボクらが子供の頃もヒデキやゴロー、ひろみなどは女の子から人気があったが、今の層の厚さとは比べるべくもない。クラスにも「ヒデキに似てる」などと言われて人気の男の子はいた。そういう”ヤツ”は大抵背が高くて足も長く、顔が小さくてカッコ良かったのでボクも「そうだよなぁ」と思っていた。

もっとも普段、男だけで遊んでいる時には誰も「かっこいい」なんて言わないのでやっかむような事もないし、そもそも背も低く短足でカッコ悪いボクが対抗できるような相手ではない。中年になったら小太りになってお腹も出てきた。「坂道を転がり落ちるように」と言いたいところだが、そもそも底辺にいたのでこれ以下に転がり落ちていく場所もない。

嫌な性格でも「イケメンだったら許せる」と女子たちは言う。とてもよくわかる。ボクだってちょっとくらい生意気でも広瀬すずみたいに可愛い子なら大抵のことは許せるような気がする。もっともそれくらいの歳になると娘を見るようになってしまうのは仕方がない。

ボクは生まれてこの方、イケメンだったことが一度もないので「カッコイイ」とは無縁の生活を送ってきた。だから嫌な性格を許してもらえたことはない(と思う)。もしかしたらそれでも許してもらったことが少しはあったのかもしれない。しかしそれは「カッコいいから」ではなく恐らく「可哀想だから」だったりするのだろう。

先日テレビで、女お笑い芸人に女子アナが「もし広瀬すずみたいな容姿だったらどうしますか?」と質問していた。その人は「広瀬すずみたいだったらこんな生活してねーよ!」と答えていた。さもありなん。人気者にそうでない人の気持ちなどわからない(と思う)のと同じように、人気者でない人に人気者の気持ちなどわからない。

何をしても肯定されて応援してもらえるのはさぞ気持ちの良いことに違いない。不人気者で一番残念なのは、何を言っても相手にされないときだ。無反応と白い目。ドン引きされるならまだしも無視された時にはもうフォローのしようがない。何をしてもドツボにハマるだけだ。

でも生まれつきイケメンでないボクはそんな時の対処法を身につけている。そんな時は黙って誰の目にもつかないところへ姿を隠せばいいのだ。いやそもそも目立たず目につかないのだから黙っているだけでいい。