神奈川県の平塚市は東北の仙台などと並んで関東の三大七夕祭りで有名だが、新型コロナで昨年に続いて今年も中止になった。そもそも7月7日は関東地方では梅雨真っ只中の時期なので例年晴れることは少ない。だから七夕に星空が見られるのは3割程度の打率だ。

だがたとえ夜空に雲がなかったとしても都会の夜空に天の川を見つけることはほぼ不可能だ。ちょっとした街なら街灯や家の明かりが街を照らし、ちょっと離れたくらいでは夜空も白っぽく濁っている。ボクもかつて横須賀に住んでいた頃、家の周りでは天の川どころか北斗七星さえも見つけるのが体験だったが、以前は(といっても40年も前の話だが)三浦半島の剣崎あたりの農道を走っていると夜空に明るく光る天の川が見えたこともあった。

今ではどうかわからないが、かつての剣崎から城ヶ島あたりの道は夜になると明かり一つなく、街からも多少離れていたので”漆黒の闇”を体験できる数少ない場所だった。

最近は秋になると沖縄の離島に行っている。そこでは晴れてさえいればコンスタントに天の川を見ることができる。20数年前に初めて離島の夜空を見上げた時にはあまりの星の多さに有名な星座が満点の星に埋没してわからないほどだった。そんな夜空の真上あたりはいつも薄明るく光っており、それが天の川だと気づくまでには多少に時間がかかった。

織姫と彦星は年に一度だけ七夕の夜に天の川を挟んで再会すると言われている。しかしいつも都会の明るい夜空では天の川も見えず、ぽつんと薄暗く光る2つの星を見上げるばかりでロマンチックな七夕の風情を感じることは難しくなってしまった。そんな時にはあの離島の真っ暗な星空を懐かしく思い出す。