テレビのチャンネルをガチャガチャと、いやピコピコと変えていたらたまたまアニメ番組のチャンネルが映った。昔見たことのある懐かしいテレビ漫画なのだが主人公の声が違っている。いや主人公どころか登場人物の声がことごとく変わっている。

他にも色々と見てみると「ドラえもん」「サザエさん」などの声がいつの間にか変わっていた。昔からの声ではなくなっている。声優さんが変わっているのだ。これには非常に違和感を感じた。「こんなのはジャイアンじゃない!」。ジャイアンの声はもっとガキ大将らしく高圧的で意地悪なのだ。

一方で「ルパン三世」やアメリカのテレビドラマ「刑事コロンボ(吹替え)」ではあまり違和感を感じなかった。それはそうである。ルパン三世では以前の声優さんが亡くなった時に、それまでルパンのそっくりさんをやっていた芸人が主人公の声をやるようになったのだ。だからそりゃ似ているはずだ。

刑事コロンボも吹き替えの小池朝雄さんが亡くなってからは石田太郎さんが代わりを務めていたが、その石田さんも7〜8年前に亡くなっている。もっともコロンボ役をやっていたピーター・フォークも同じ頃に亡くなっているから、本人がコロンボとしてテレビに登場することももうない。

考えてみればルパンやコロンボのように特徴的な言い回しや発声のある人は真似しやすいのかもしれない。「不〜二子ちゃ〜ん」や「うちのカミさんがね…」は声色さえ似ていれば真似をしやすいセリフなのだろう。

でもアニメのドラえもんやジャイアンだってかなり特徴的だった。「なんだオマエ、のび太のくせに生意気だぞ!」や「オマエのものはオレのもの、オレのものはオレのもの」などの台詞は今の社会の中で「イジメを助長する」などと言われて教育的指導を受けたのかもしれない。そこであえて登場人物を違う性格に生まれ変わらせようとして新しい声優を選んだのかもしれない。

「ハクション大魔王」や「笑うセールスマン」などもそうだったが、アニメの声優の声はその時代を生きていた人にしかわからない懐かしさを思い出させる。それがかつての人格を離れた「いいジャイアン」になっていたりすると、「こんなのジャイアンじゃない!」と無性に腹が立つのだ。