年寄りは若い人を見るとすぐにクサしたくなる。いや年寄りより若くても、若者を通り過ぎると男も女も若者を軽んじるようになる。曰く、「近頃の若いヤツは…」「ゆとり教育ねぇ…」。

「やだあの子、脚出し過ぎじゃない?」
「若いからってスカート短けりゃいいってもんじゃないのよ」
「ちょっと可愛いからってさぁ」
「あの子ってブリっ子でしょ」

いいじゃないですか、だって若いんですから。あなただって昔は若かったんでしょ?その頃は同じように脚出してかわい子ぶりっこしてたんじゃないですか?

若いということはそれだけである意味、無条件に優位に立っている。それは残された余生が長いというだけではない。持病がないというだけではない。お肌も頭脳も筋肉も何もかもすべてが若い。男も女も、年寄りとは比較にならないくらいフレッシュでピチピチしている。

だから自分が歳をとっているというだけで劣等感に苛まれる。相手をやっつけたくなる。でも若者をやっつけようとしたところで、仮に口ではやっつけられたとしても圧倒的な身体の若さに敵うわけがない。そんなことは誰もが知っている。でもやっつけたところで自分の方が優位に立てるわけではない。もうその身体は若者には戻れないのだ。

だから賢明な老人は、くだらないことで若者に立ち向かおうとする老人を見ると誰もが、「年寄りの冷や水」だと愚かな老人を見て苦笑する。