「なくて七癖」というが自分のことは自分が一番気づいていない。いつもやっていることは自分にとってもはや当たり前のことなのだから、気づかなくて当たり前だ。だが自分は気付いていなくても他の人からはちゃんと見えていることもある。自分では当たり前だと思っていても、その人にとってみれば当たり前ではないこともある。

自分にとって当たり前ではないことはすぐに目につく。自分と違ったものは目立つのだ。だから自分に見えないものを見ようとする時には、自分以外の誰かに訊いてみるのがいい。しかし自分と共通点が多い人に訊いても見つからないかもしれない。でも自分とまったく同じ人間などいないのだから、何人かに尋ねてみればいくつかの特徴が炙り出されてくるはずだ。

知らないボクを見つけてくれたのは友達だった。古くからの付き合いで、無意識にボクのことを見てきた友人たちに「オレってどんな人間?」「オレって変?」と問いかけてみた。いきなりそんなことを訊かれた友人たちも面食らったはずだが、何人かは丁寧な返事を送ってくれた。

子供の頃から付き合いのあるあまりにも古い友人で、最近のボクとはあまり交流のない友人もたくさんいるが、時間が経つと人は行動も習性も性格も変わってしまうのであまり当てにならないこともある。できれば”付かず離れず”10年以上の付き合いのある、歯に衣着せずに”言いにくいこともズケズケと言ってくれる人が理想だ。

そんなボクのつまらない問いかけに真面目に答えてくれた友人は思いのほかたくさんいた。この歳になるとただの知人レベルでは遠慮して思ったことを話してくれないことが多い。「こんなことを言ったら気分を悪くするんじゃないか」という気遣いかもしれない。でも今のボクに欲しいのは偽りのない自分の姿なのだ。

そんな問いに自然に答えてくれる友人を持ったボクは本当に幸せものだと思う。