「ノギス」は物の直径や内径、穴の深さを正確に測る道具だ。片手で持てるくらいの大きさだから、さほど大きなものを測ることはできないが、その精密さがウリだ。中学校の「技術家庭」の授業で使い方を習ったが今ではすっかり忘れてしまった。

アナログな仕様のノギスだが、ちゃんと使えば0.05ミリのオーダーまで正確に測ることができる。もっと正確に測るにはマイクロメーターというアナログ測定器もあるが、ノギスと比べるとバカ高いのでボクは持っていない。今ではノギスもマイクロメーターもデジタル化されて、使い方など知らなくても簡単に測定できるものも売られている。

「ノギスの使い方」といってもモンキーレンチのように測るところに当てて、その幅や深さに合わせて伸び縮みさせるだけなので特に難しいことはない。難しいのは目盛の読み取り方だけだ。最初にミリ単位を読み取り、次に0.1ミリ単位のメモリを読み取る。最後に0.05ミリ単位を読み取って合計すればその大きさがわかるという仕組みである。

そして最近になってわかったことは、ノギスはちゃんと使えば正確に測れるのだが、数字を読み取る部分の字が小さいのである。中学生の頃は気にすることもなかったが「あれから40年!」。目の機能は明らかにショボくれており、裸眼では字が書いてあることすら判然としない。それでは、と老眼鏡を取り出して見てみたが、”字が書いてあるらしい”ところまではわかっても数字は読み取れない。

でもボクには最終兵器の拡大鏡がある。かつてのスライドに使っていた35ミリフィルムのポジを確認するための拡大鏡だ。以前はポジフィルムと一緒に保管していたのだが、今は常に机上に置いてある。使用頻度が昔よりも格段に増えたのだ。

この拡大鏡を使えばノギスの目盛などおちゃらかホイである。顕微鏡で覗いたように目盛が巨大に見える。ただノギスの測定部分をちゃんと固定していないと覗き込んだときにズレてしまうのと、読み取るのに数倍の時間がかかるのが玉に瑕だ。

まったく歳はとりたくないものである。