DIYの話をしたので今回は工具箱の話をする。我が家には、というより中学生の頃からボクは自分専用の工具箱を持っている。最初はプラスやマイナスのドライバー、ペンチ、ニッパー、モンキーレンチから始まり、やがて車いじりを始めてからはボックスレンチ、トルクレンチ、十字レンチなどを買い揃えていった。

自動車のサスペンションやエンジンを分解するための特殊工具と、電装品などを扱うための工具は自ずとサイズや精密さが異なるので、だんだんと大型工具と精密工具に分かれていき、工具箱もそれによって幾つも持つことになる。今ではDIYらしいことをすることも少なくなったので工具箱は2つだけだ。

その中のメンバーを見てみると、ペンチ、ラジオペンチ、ニッパー、電工ペンチ、糸鋸、ハンダゴテ、トルクレンチ、星形レンチ、六角レンチ、精密ドライバーなどがクチャグチャと詰め込まれている。最近ではノートパソコン を分解するためにヘキサ(星形)ドライバーや六角ドライバーなどの小さな特殊工具も増えてしまった。

それ以外にドライバーセットとボックスレンチ類は別の専用ケースに入っており、工具箱に入りきらない電動ドリルや万力、ヒートガンなどは工具箱の周辺に箱に入って置いてある。これらの工具類を組み合わせて使えば、家庭でやるDIY作業なら大抵のことには要が足りている。ただ中学生の頃から持っていたテスター(電流や電圧、電気抵抗を測る計測器)はずいぶん前に壊れて捨ててしまった。ただ、導通があるかどうかを知りたければ100均で検査機を売っているので困ることもない。

しかし車の整備をするためにずいぶん前に買ったトルクレンチなどは、今ではタイヤ交換の時くらいしか使わなくなってしまった。かつて自動車の整備工場でバイトをしていたときには、圧搾空気で動かすインパクトレンチなども使っていた。固く締まった車のサスペンションのボルトナットを外すには人力のレンチでは困難だったので重宝した。

先日来、ゴミ屋敷と化したマンションの部屋を片付けていたときにも数々の工具が出てきたが、大抵の工具はすでに持っていたので不用意にもらってくるようなことはしなかったが、DIY狂の弟に「兄貴、インパクトドライバーいる?」と訊かれてちょっと心が揺らいだ。家庭で使う機会はほとんどないが、”インパクト”という響きにはなんとも言えない魅力がある。

インパクトドライバーもインパクトレンチも、一定以上の負荷がかかるとガガガッとインパクトを与えながら空回りをしてネジやボルトを緩める仕組みだ。いかにもプロっぽい玄人好みの工具なのだ。簡単なものだと普通のドライバーの形をしたものをハンマーで叩き込むと少しだけネジが緩む方向に回るものがあり、それならもらってもいいかなと思ったが、一応「現物を見てから」ということにした。

そして当日、弟が持ってきたそれは小さなスーツケースに入った電動工具だった。「ぎょえー、これは一生使うことはないな」と思って辞退した。そんなものを迂闊にもらってしまったら、今度は我が家がゴミ屋敷になる番だ。