といっても市場に流通している部品のことではない。かつて「横須賀流通センター」のカー用品コーナーで安価に売られていた、”安かろう悪かろう”のカー用品のことだ。ボクらは「流通」と呼んで安物ばかり売っている店としてややバカにしながらも、とにかく金のない学生には重宝な店だった。

ここでいうカー用品とは自動車の基本性能とはあまり関係のない、いわゆる「デコレーション(デコ)パーツ」だったり、カーオーディオやシフトノブなどのアクセサリを指している。学生だった頃、車いじりが好きだったボクらは、自分の車を小改造しようと思った時にはまず「横須賀流通センター」に向かった。

そこでチープなパーツを買い揃えては自分の車をデコレーションしたのである。もちろん学生は金がないからDIYである。それがボクらの言う「流通パーツ」だ。

ボクの友達にはいわゆる”暴走族”は、まったくとは言わないがあまりいなかったので、カーステやフォグライト、無線機などを取り付けるようなソフトな改造が多かった。そのような電装品を取り付けて配線をする時に不可欠なのがギボシ端子、通称”ギボシ”である。

最近、訳あってまたギボシを使わなければならなくなった。あの頃なら工具箱の中にいくらでも入っていたものだが、車の改造などしなくなってからはみんな捨ててしまった。ネジのような細かい部品なので、ホームセンターに行ってもバラ売りはしていない。10個20個のセット販売だ。ボクが必要なのは2個だけなのだが、そのために10個セット300円を払うハメになった。おそらく原価は数円なのでモッタイナイ気もするが仕方がない。

以前にも書いた、車の内装部品を外す「パッチン外し」もこの頃に重宝した工具である。車内の配線を綺麗に隠して邪魔にならないようにするには内装の裏に隠してしまうのがいい。今回の工作も車内にはみ出た配線を隠すための工作だ。

我が家の車にも10年ほど前からドライブレコーダーを取り付けてある。もちろんそのためにはどこかから電源を取らなければならないのだが工作するのが面倒だったので、今は昔でいうシガーライターのソケットに繋いで電源を取っている。それが先日、助手席のドアを開けたら偶然、ヒューズボックスを見つけたのでここから直接電源を取ろうと思いついたのだ。

今ではヒューズボックスから電源を取るためのパーツも、ギボシ端子を二又にする部品も既成で売っている。昔はそんな便利なものはなかったので電線を切ってギボシ端子を付けて加工して作っていた。便利な世の中になったものだがちょっと寂しいような気がするのは、昭和世代の懐古趣味なのかもしれない。