大したこともなく美味しくもないのに、ちょっと風変わりでマスコミやSNSで話題になるとたくさんの人が押し寄せて大行列になる、ということが多い。昔なら「行列のできる店」といえば「美味い店」と同義だったが、SNSが全盛の昨今ではずいぶんと様子が変わってしまった。

逆に行列ができている店を見ると、「大して美味くもないのに話題になってる店なんだな」と穿った見方をするようになってしまった。それでも「もしかしたら美味い店かも」と思って一度は訪れてみるのだが、大抵の場合は予想通り高くて美味しくもないダメな店である。

本質とは何の関係がなくても今では話題にさえなれば目の前の成功は手に入れられる。ここ2〜3年はタピオカミルクティーが流行っていたが、今ではどこも閑古鳥が鳴いている。一部の地方から上京してきた”お上りさん”だけが原宿あたりで行列している。

タピオカなんて何年も前からブームになったり廃れたりを繰り返してきた。だから今回のブームも売られている商品を見た瞬間に、「ブームもせいぜい半年から1〜2年だな」と思った。なぜなら本質は何も変わっていないのだから。

変わっていない以上、初めて触れた子供たちが飽きてしまえばブームは必然的に終わる。商品にお客を長く引き寄せ続けられる魅力が加わらない限りは飽きられる。人間の嗜好などそう大きく変わるものではない。

一方でチェーン系回転寿司などでサーモンの寿司が人気だそうだ。ボクはあまり好きではないのであえて注文しようとは思わないが、若い世代から子供には絶大な人気があるらしい。しかももう10年以上も続いている。これは嗜好が変化した例かもしれない。

ボクが子供の頃には回転寿司などなかったので、寿司を食べる機会は法事の時の店屋物(いわゆるデリバリー)に限られていた。あの頃は子供と大人の嗜好ははっきりと分かれており、子供が食べていいのはかっぱ巻きやかんぴょう巻きで鉄火巻きは大人の食べるものだったし、握りで手をつけてもいいのは玉子に限られていた。いや多くの子供はそう躾けられていたのではないだろうか。

長野県の回転寿司ではイカゲソとカニカマをマヨネーズで和えた具を載せたサラダ軍艦が人気だという。これはおそらく地域的な嗜好の偏りだろう。ボクもコンビニの寿司弁当などではたまたま入っているサラダ軍艦を食べることはあるが、自分から注文したことは1度もない。そもそも”サラダ”と言いながら野菜は全く入っていないのだという。

テレビのバラエティ番組でも「行列のできる〜」というのがあったが、今となっては「ちょっと目先を変えたゲテモノを出す店」というイメージの方が強くなってしまったのではないだろうか。