かつてフォークグループ「赤い鳥」が歌った「翼をください」という曲は中学生のころ、学校の合唱大会などでも歌ったので知っている人も多いと思う。

♪今 富とか名誉ならばいらないけど、翼がほしい♪

当時はそんなこと考えたこともなかったが、誰しもが若い時の「自分は飛べる」と信じていた気持ちがそうさせるのかもしれない。誰でも自分が何者なのかはわからないが未来には無限の可能性があると信じられる時期がある。何の根拠がなくても「何でもできる」「努力すれば夢は叶う」と信じられる自分がいる。

しかしボクは何かを成し遂げようとも思わなかったし、何の努力もしてこなかったので何者にもなれなかった。だんだんと「自分が飛べない」ということがわかってくると富や名誉で代替えしようとする。夢は叶わなかったけどそこそこ生活できるくらいのお給料がもらえてるんだからいいじゃないかと自分を納得させようとする。

大人になってからよく考えてみても、そもそも自分には叶えたい夢なんてあったのかと過去の自分さえわからなくなってしまった。翼があったって飛んでいく先なんてよく見えていなかった。見えていなかったけどどこかに向かって飛び立ちたかっただけなのではないのかと思うこともある。

大人になると富とか名誉ばかりを追いかけたがる。夢を忘れた少年はやがて煩悩ばかりを追いかけるようになる。それでも心の中の一番深いところでは今でも「翼がほしい」という気持ちを忘れていないのだろうか。