大どんでん返し

イヴ・モンタンが主演していた「恐怖の報酬」という映画を観たことのある方も多いと思う。どこかの油田が大火災になり、消火のためにはニトログリセリンを使って油田の施設を爆破するしかないということになった。そのために大量のニトログリセリンをトラックで運ぶドライバーを募集したところ、応募してきたのが食い詰めた4人の男たちだった。

ニトログリセリンはダイナマイトの原料として使われる爆発物で、わずかな振動や温度変化で大爆発を起こすという危険物だ。それをトラックに荷台に満載して険しい山道を運ぶストーリーだった。いろいろなトラブルに巻き込まれたものの結果的には無事に運び終わり、高額の報酬を手にする。「あ〜よかったねぇ」とエンドロールが流れて観客が席を立ち始めたまさにその時に大どんでん返しは起きる。

かつてテレビ映画で観たアガサ・クリスティの「検察側の証人」もアクション映画とは異なるが最後の大どんでん返しは小学生のボクにとっても印象的だった。どちらも有名な作品だが「大どんでん返し」が見る人の心に深く突き刺さる作品だから細かいことは伏せておく。

「大、ドン・デン・がえし!」といえば昔、とんねるずがやっていたお見合い番組「ねるとん紅鯨団」の告白タイムで、この二人は間違いなくカップルになるだろうとみんなが思っていたところに急に伏兵が現れて、彼女をさらって行った時に木梨憲武が「大、ドン・デン・がえし!」と叫んでいたのが印象的だった。

想像していたことが一気に覆される状況は多くに人にとって想定外で驚かされることではあるが、実はその影でどんでん返しが起きることを密かに期待している自分もいたりする。”想定外”と口では言いながら、心の中では間違いなく想定していたりするのである。

人の心には意地悪な部分がきっとある。ハッピーエンドで「めでたし、めでたし」で終わる物語は確かに心温まるものだが、最後の最後に地獄の底に突き落とされていく主人公の姿を見て自分の暗黒面を一緒に消し去ろうとするズルイ心は誰もが持っているのではないだろうか。

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