立場が違えば視点も違う

訳あって老人ホーム紹介所にあちこちの施設を紹介してもらって見学に行っている。自分が入所するわけではないが本人が身動きできないので代わりに見に行っている。結婚式場の紹介所と同様に紹介した施設で契約が決まれば施設から紹介料が入るのだろうと思う。

施設側からしてみれば直接契約すればかからない紹介料を払わなければならないのだから悔しいのだろうが、最近のように老人ホームが乱立する時代にはエージェントからの紹介がなければ部屋を埋めることも難しいのかもしれない。かつてボクの勤めていたホテルでもエージェントからの紹介が結婚式の予約の3割以上を占めていた。

そこで紹介された老人ホームの一つの名前を言ったらその施設の近くにある病院に勤める知りあいの看護師さんが、「あそこ評判良くないよ」と教えてくれた。その施設からやってくる職員の態度が悪いのだそうだ。地元では「ヤクザが経営する老人ホーム」という噂まで立っているらしい。

詳しいことは確かめることもできないので知る由もないが地元での評判が悪いことは間違いがなさそうである。古くからその地で暮らしてきた人が言うのだから実態がどうあれよろしくない面があることは確かである。そんなことは外から一通り見るだけではわからないからエージェントも悪気があったとは思えないが、立場が違えば見方もずいぶん変わるのだなと実感させられた。

施設見学もいろいろな観点から見るとどこも同じように見えてずいぶんと違っていたりする。入居者の目、入居者の家族の目、そこで働く従業員たちの目、施設の経営者の目などなど。それぞれに誰かが得すれば誰かが損することになる。もちろん「熱い情熱があればみんなが幸せになれる」と言う人もいるだろうが医療職も介護職もサービス業も情熱だけで食っていくことはできない。

やらずボッタクリはもってのほかだが正当な労働に対する相応の報酬がなければモチベーションだってだんだんと下向きになってしまう。そこにいるいろいろな人を見てアゲアゲだったりサゲサゲだったりしていたらそれには何らかの理由がある。もちろんアケスケにそんな態度は見せないだろうがちょっとした表情ややりとりの間合いに感情が見え隠れするものだ。自分だってそんな時の感情は何らかの形で外まで匂っているはずだ。

それが人と人との繋がりを測る重要な要素なのではないかと思っている。コロナで人と会うことが難しい時期ではあるが、リモートでもメールでもSNSでも相手のちょっとした気遣いから優しさが垣間見えるように思っている。

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