テレビでもネットでも今流行の言葉というものがある。しばらく前なら「IT化」「クラウド」などだったがちょっと前からは「見える化」や「気づき」、「サスティナブル(持続可能な)」などという言葉がよく使われるようになった。

たぶん「見える化」は漠然とした概念をイメージとして眼に見えるようにして誰もが理解できるようにしようということだろうし、「気づき」は普段はボーッとしていて気づかないようなことの中にも解決のための重要なヒントが隠されているのでしっかりアンテナを張ってそれらを捕らえるようにしようということだと思っている。

それらの言葉は話の中でうまく使われると聞いている方はわかったような気にさせられる。だからケーダンレンやニチギンのお偉方、大企業の経営者の皆さんはやたらと使いたがる。でもその話を聞いていると「この人は本当に『気づき』ということに気づいているのかな?」と不安になることがある。

自分の中で咀嚼できていない言葉を流行に乗って使っているだけなのではないかと思うのだ。そういう意味では「気づき」や「見える化」は流行語大賞にノミネートされてもいいくらいの言葉だと思っている。

もっともただの流行語なら意味を取り違えたとしても周りの失笑を買って笑い物になるくらいですむが、経済界の重鎮や経営者がよく分からず安易にそんな言葉を使って方向性を示したり部下に指示を与えたりすると思わぬ誤解を招くことだってある。きちんと定義が決まっていないような言葉を使うときには慎重にならなくてはいけない。

今世間でみんなが使っているからといって、得意になって理解していない流行り言葉を使って自分だけがわかった気になっていると、いつかは大きな舵取りを誤るのではないかと余計な心配をしている。