訳あってちょっとした肉体労働が続いている。若い頃なら運動とも言えないような運動なのだが後期中年者ともなるとちょっとしたことで筋肉痛になり腰痛になり疲労がボディブローのように効いてくる。こんな時は大きな浴槽にお湯を溜めてゆっくりと風呂に浸かるに限る。あ〜温泉に行きたい!でもタイミングの悪いことに今はコロナだ。

心身ともに疲れているときにお湯に浸かるとリラックスできるというのは日本人なら誰でも共感して納得できることではないかと思う。欲を言えば山奥の一軒宿でせせらぎの音をBGMに温泉露天風呂に入りたいところだが、家にある湯船にゆったりと浸かるだけでも精神的に肉体的に開放されて疲れも和らぐだろう。

一方で海外では温泉に浸かって安らぐということはほとんどないらしい。ガイジンがお風呂に浸かるという話を聞くのは古代ローマの「テルマエ・ロマエ」くらいのものである。ヨーロッパ各地にも温泉があるにはあるが総じて湯の温度が低く30℃前後というところが多い。日本で言えば温水プールに入るようなものだ。浸かったところで「あ゛〜」という声は出そうにない。

欧米人にとっての温泉とは病気療養施設としての面が大きくてリラクゼーション施設とはかなりかけ離れており、それこそ温水プールのようなところがほとんどだ。でも彼らだって温かいお湯に体を沈めれば気持ち良いのではないかと思う。もちろん湯温に好みがあるのは日本人とて同じだから自分が快適だと思う湯に入れば気持ち良くなるのではないかと思う。そんな経験をしたことがないのだろうか?なぜだろう?とてももったいないと思うのはボクが日本人だからだろうか。

ところでお風呂といえば入浴剤が頭に浮かぶ。ボクは自宅で入浴剤を使うことはない。あの色と匂いがあまり好きではない。それでも我が家には入浴剤を常備している。それは入浴のためではなくスキューバダイビングに使うためだ。

分厚いウェットスーツを着ていても冬の伊豆の海は冷たい。もっとも気温が0℃近くまで下がっても海水温は10℃以上あるのだから温かいといえば温かいのだが、1時間も海の中にいるとウェットスーツを通して寒さが心身と伝わってくる。そんなときに活躍するのが炭酸入浴剤の「バブ」である。

海に入る前にウエットスーツの中に細かく砕いたバブを忍ばせておくとスーツの中に少しずつ漏れてくる海水と反応してシュワ〜と泡が出る。念のために言っておくがこの泡は別に温かいわけではない。海水と同じ温度だ。ところが泡が肌に触れているとなぜかポカポカとポケットカイロのように暖かく感じるのである。

炭酸ガスの泡が結構を良くするからだとか言われているが本当のところは良くわからない。ときには熱く感じるほどなのだが温度は低いので火傷をすることもない。元々は温かい海で潜る沖縄のレジャーダイバーが始めたらしいが、そんな技が暖かい沖縄で生み出されたこともまた面白い。