DXなお役所

元SMAPのメンバーは特に好きというわけではないがキムタク以外には割と好感を持っている。先日、稲垣吾郎さんがCMに出ていた。どこかの会社のITに疎そうな知ったかぶりのツカエナイ上司役を演じて、「これからはデラックスだよ、ね、デラックスって知ってる?」と今流行のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を勘違いして連呼している。

ここ30年くらいの間、このテの用語は常にどこかで連呼されているが意味を勘違いしている人も多い。かつては総理大臣(今は東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員長をされておられる方)も国会答弁でITをイットと呼んでいたくらいだからそれに比べれば罪は浅いというものだろう。

一時、IoT(アイ・オー・ティー:Internet of Things)などという言葉も流行ったがマスコミも”事(こと)のインターネット”などと訳していて何が言いたいのかさっぱりわからなかった。それでも「ツカエル男」だと思われたければ「見える化」だの「DX(ディー・エックス)だのとわかったふりをして連呼すればいいのだと勘違いする「知ったかブリ男」はいつになっても絶えることがない。結局のところ何の意味もないのでスローガンみたいなものだと思っていればいいのだ。

そんな時代だが、お役所はいまだに「郵便」「電話」「FAX」「コピー」から脱却できないでいる。電子メールすら使いこなせていない。係のまだ若い男の人が「わかったら連絡をください」というので「じゃあメールで送ります」と答えたら、「えっ、メールは…いや、その、あの…」とウジウジしているので「どうしたんですか?」と言うと「部署全体のアドレスがあるだけで個人アドレスがないもので…」と言い出した。

ウソである。市役所の職員には全員にメールアドレスが与えられている。使いたくないから隠しているのだ。「じゃあ何だったらいいんですか?」と聞くと「郵送で」と言う。思わず笑ってしまった。このご時世に郵便である。いや電報と言われなかっただけマシなんだろうか。

こんなことでさえ「紙文化」から脱却できないでどうやって”ハンコの廃止”を進めるのだろうか。まったくもって頓珍漢である。脳味噌がお花畑なんだろう。住所変更(住民票)、国民年金保険、介護保険、後期高齢者健康保険等の諸々の手続きはすべて役所の窓口に出向くか郵便での受付がせいぜいだ。電話でさえ”問合せ”に答えてくれるだけである。これでどうやって”デラックス”にしようというのか訳がわからない。

今ではあちこちの部署で”紙の申請書”にマイナンバーを書かされるが、マイナンバーに登録されているはずの内容をもう一度申請書にも毎回記入しなければならないのには閉口させられる。同じことをあちこちで何度も書かされればミスも起きる。だから内容に齟齬が起きても全く不思議ではない。

「消えた年金問題」が発端となって5年も前に導入されたマイナンバーだがいまだに使いこなせていないらしい。お役所が”デラックス”になるのは一体いつのことなんだろうか。少なくともボクが生きている間には無理な気がしている。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください