「あっ、それ知ってます!」という人がいる。知っているならやったこともあるのだろうと任せてみると何もできない。「聞いたことがある」のと「やったことがある」ことの間には超えがたいギャップがある。経験したことがあるかないかだ。

中途半端に経験した気になってる人はたくさんいる。それは最近になってとみに多くなった。それはもしかしたらゲームの進化と関係があるのかもしれない。ちょっと前からテニスやスキー・スノボ、ボクシング、ゴルフなどもバーチャルで体験できるようになったらしいがそれは決して”経験”ではない。

外側に焦げ目だけつけてちゃんと焼けているように見せかけながら中身は生煮えの人間というのは多い。”誰かから聞いた話”は不確かな情報で知識のようなものを聞き齧ったに過ぎない。それが冒頭に書いた”聞いたことがある”のと”やったことがある”のとの違いだ。聞き齧っただけの人は実際の経験をしていないから最後までやり切る能力がない。必ず途中で「そこまでは聞いてません」となってボロが出る。

できもしないのに知ったかぶる、わかってないのにわかったフリをする人間が後を絶たない。だからボクはできる限り経験できることは実際にやってみるようにしてきた。そのために散財したものも膨大だ。それでも引き換えに得られる経験には代えがたいと思ってきた。しかし現代は世の中の変化が早過ぎて一度経験したこともまったく違ってしまっていたりする。

今でも経験し直せることならやってみることにしているが、最近ではその意欲が減退しつつあるのが寂しい現実だ。