100%除菌しても本当にいいの?

巷では除菌グッズが花盛りである。今や「除菌」「消臭」をテーマにすれば何でも売れるという感じがしないでもない。食器洗い洗剤、洗濯洗剤、浴室用風呂釜洗浄剤、下駄箱除菌消臭スプレー、食卓拭きスプレーなどなど枚挙にいとまがない。そのすべてが”~専用”と謳っているが中身はどれも大差がない。そしてテレビCMでは「菌が残っていると人は死んでしまう」と言わんばかりに宣伝合戦を繰り広げている。

除菌するということはある種の”毒”である。菌を殺さなければいけないのだから毒でなければならない。擦りむいた時に消毒に使っていたオキシフルも毒である。マキロンもヨードチンキも毒である。昔からダメな薬や治療法を指して「薬にも毒にもならない」などと言うが、薬は毒であり、毒だからこそ薬になるのである。毒だからそれを使えば副作用がでる。健康な細胞も少なからず死んでしまうので副作用がでる。つまり副作用のない薬など飲むだけムダなわけである。まぁ「そんなことは織り込み済み」というなら心ゆくまで薬漬けになればいいわけだ。昔は農薬をところかまわずジャバジャバと撒いて問題になっていたが、最近ではあまり報道されなくなったせいか皆んなあまり気にしなくなったようだ。どっこい今でも農薬はジャバジャバと撒かれ続けている。もちろん日本でも。でもまぁ、それはそれだ。

ところで「99%除菌」などというが、そもそもそんなに除菌してしまってもいいだろうか? 人の体にはゴチャマンと菌がいる。もちろん口の中にだってウヨウヨといる。口内の細菌検査をされた方も多いだろう。口内細菌を調べると、耳かき一杯ほどの唾液や、ほんの針の先ほどの歯垢の中にいろいろな種類の菌がうごめいているのを観察することができる。もちろん人にとって害のある菌もいるが何をしているのかよく分からない菌もいる。人の体はこういった膨大な菌たちがそれぞれのバランスを保って健康な状態でいるわけだ。

それを人為的にある種の菌だけを殺してしまったら全体のバランスが崩れることはかんたんに想像がつく。それに、人はあらゆる雑菌の中で生きている。中には人の体に悪さをする菌もいる。人の体は悪い菌が活躍するのを防ぐために免疫機能というものを持っている。免疫は体の外から入ってくる異物に対して反応する。敵とみなして攻撃する。その反応が暴走するとアレルギー反応などを起こしたりする。細菌の日本人の生活環境からは雑菌が減っているのではないかと思う。雑菌が減ってしまえば敵に対抗するための免疫力も次第に落ちてくる。ここでもバランスが崩れてくる。

最近では大人子どもに限らずアレルギーを持つ人が増えているような気がする。もちろん昔は原因が分からなかっただけで、今にして思えばアレルギーだったということもあるだろう。しかし昨今のような重篤なアレルギーで死亡してしまうようなことは少なかったように思う。これももしかしたら、今の日本人が何でもかんでも除菌してきたことの弊害の表れなのかもしれないなと思う今日このごろである。