テレビのニュースが自民党の厚生労働部会の様子を映していた。出席者100数十人。コロナ禍で「新しい生活様式」が叫ばれる中、あんなに大きな会議に大勢が集まってやる必要があるのだろうか。しかも「新しい生活様式」を大声で叫んでいるのは当の日本政府だし、厚生労働省は”三密”を止めるように大声を出している張本人だ。

100人以上も集まる会議では発言して意見交換する人など数人に限られている。みんなが一斉に話出したら会議にならないし100人で意見交換などできない。1人が1分だけ話したとしても何時間もかかってしまう。最近流行のリモート会議を経験している人なら誰でも知っていることである。

いやリモート以前に会議とはそういうものだ。どうせほとんどの人は聞いているだけなのだから、そんなものはリモート会議にした方が効率的で感染リスクだって防げるというものである。これでは菅総理が大声で叫んでいる「デジタル改革」も絵に描いた餅だ。それなのにその会議に菅総理も出席しているのだからよほど出来の悪いジョークである。

この春から企業や各種団体の会合はリモート会議で行われることが多くなった。「密になるな」「大人数で集まるな」「人と話をするな」とあちこちで言われ続けたからあらゆる打合わせがキャンセルされた。「外食するのは悪」のように言われ、レストランの持ち帰りメニューが流行った。しかし現実問題として打合せをしないわけにはいかないので色々なツールを使って打合せをするようになった。

ボクも春以降にリモート会議のツールの使い方セミナーを何度も開いた。今までなら「そんなもん使えない」と最初から諦めてしまっていた高齢者の人もこぞってセミナーに参加していた。もっとも大人数で1カ所に集まることはできないので”どうしてもわからない”という数人以外はリモートでの参加である。

リモート会議のツールの使い方を最初からリモートでやろうというのだから「鶏が先か卵が先か」状態である。だから最初はみんな大混乱した。事前にインターネットを使ってリモートで接続できる環境を整えてもらうだけのマニュアルを用意してメールで参加者に送った。「メールが見られないんですけど」という人たちにはスタッフが総出で電話をかけてレクチャーしてくれた。繋がってしまえば後はどうにでもなる。最初の設定が一番肝心なのに一番難しかった。

そんな苦労をしてきたボクたちにしてみれば政府のやっていることなど笑止千万だ。”ヘソで茶が沸く”くらい可笑しくてバカバカしく見える。そうだ、あの人たちにも「サル(国会議員と官僚)でもわかるリモート会議のやり方」セミナーをやってあげようかな。そうしたら政府は「新しい生活様式」を推進するための予算をタップリとつけてくれるかな?