あくまでボク個人の好みだけれど、お笑いコンビのダウンタウンは面白くない。昔からテレビで見ても一度も面白いと思ったことがないし笑ったこともない。でも職場の同僚や友人たちと話をすると多くの人が「面白い!」「最高!」と言う。じゃあそんな人たちと価値観が違っているのかと言えば、多少の違いはあるだろうがまったく分かり合えないわけでもない。

逆に好みに合ったのはタイムマシン3号やトータルテンボス、サンドイッチマンなどだ。どこが面白いのかといえば…、強いていえば漫才の中にブラックジョークが織り交ぜてあるところだろうか。ブラックジョークは悪口や誹謗中傷とは違う。どちらかといえば”皮肉”になるだろうか。

ダウンタウンのお笑いには彼らのキャラクターならではの毒舌がふんだんに取り入れられているが皮肉はほとんどない。軽い悪口で笑いの対象を小馬鹿にすることで笑いを取る。もちろん”皮肉”だって最後は相手を小馬鹿にして笑いをとる。

人は誰でも”誰か”より優れていると思いたがる生き物だ。だからストレートな悪口だろうが皮肉だろうが、誰かがやっつけられるのを見ると痛快な気分になる。あたかも優れた自分が劣った相手をやっつけているかのように。

だからそれは両者のやり方の違いだ。ストレートな悪口は目の前にあるそのものが対象なので簡単でわかりやすい。一方で皮肉にするにはその対象になる人やモノの強がりと弱さの背景や社会的な意味がわかっていなければ言っている意味すらわからない。

時には人種差別や汚職問題、環境問題、宇宙開発など様々な情報や知識と照らし合わせた上で、どうしてそれがダメなのかをいつも考えている人でなければ話していることの本質がわからないから面白くない。時にはそこにちょっと飛躍した理屈が含まれていることもあって、その論理の飛躍こそが笑いの原点になったりする。

後者は落語に似ている。舞台の背景や人物像、人間関係がわからないと皮肉の意味がわからない。「ずっこけたから面白い」というような、言い方は悪いが「吉本新喜劇」のようなストレートな笑いではない。理屈がわからなければ面白くないのだ。

だからどちらがいいという話ではない。所詮はお笑いなのだから理屈をこね回して理解不能なほど複雑にしてしまっては本末転倒だ。時にはライトでストレートな笑いも必要だ。でもボクにとってはなんの影も裏もないコントやギャグはつまらなく思ってしまうのだ。