今年の梅雨はすこぶる天気が悪い。九州や東海地方では大きな水害も起きた。まだ関東地方では大きな被害は出ていないがとにかく天気が悪い。梅雨なんだから天気が悪いのは当たり前なんだが、それにしてもほとんど晴れの日がない。そういえば過去にも夏の天気が不順だったことはある。もう20年以上も前のことだが、7月に入ってちょっと暑くなったかと思ったらすぐに秋のように涼しくなってしまった。

8月に入っても夏らしい天気にならずに日差しも戻らなかった。9月になると米や野菜の不作が報じられるようになった。当時はまだ”コメ余り”と言われて国内の備蓄米もそれなりにあった時代だったが、あっという間に米は底をついて手に入らなくなった。政府は天候不順にあまり関係のなかったタイから米を輸入することにした。いわゆるタイ米と呼ばれる長粒種の米だ。

当時のボクはダイビングもやっておらず東南アジアに行ったこともなかったので長粒種という米を食べたことがなかった。それは普通の炊飯器で炊いてもパサパサで、ジャポニカ種と呼ばれる日本の米とはかなり違ったものだった。何となく変な匂いがするような気もしたしふっくらとしたツヤツヤ感もないし、とにかく美味しくなかった。

その後、タイやインドネシア、フィリピンなどを度々旅行するようになって長粒種の米を食べる機会も増えた。もちろん白米として出されることもあるしチャーハンのように炒められていることもある。スペインのパエリアも長粒米で作るしインドネシアのナシゴレンなどは日本でも普通に食べる機会もあるが、当時はインターネットもなくそんな料理のことは知らなかった。インドネシア語で”ナシ=米”、”ゴレン=炒める”だから味付けは若干違うもののまさにチャーハンである。

海外でそういう料理を食べたことがあれば長粒種ももっと美味しく食べられたはずなのに、日本中で「タイ米は不味い」という評判が立ってみんながタイ米を敬遠するようになってしまった。あの時の経験が今でもトラウマのように残っている。もっとも今ならインドネシアのナシチャンプルー(ご飯の周りにインドネシアのお惣菜を何種類も盛り付けたもの)やナシゴレンなどを作って食生活を楽しめることがわかっているにも関わらずだ。

空梅雨(からつゆ)なら「雨が少なくて夏の渇水は大丈夫なのか」と心配になるし、降れば降ったで「水害は大丈夫か?」「お米や野菜の生育は大丈夫か?」と心配になる。いつでも心配は絶えない。以前に北海道が大水害に見舞われてジャガイモも人参もタマネギも大きな被害を受けたことがあった。あの時もおかずの中心になる野菜が手に入らなくなってとても難儀した。

できることなら北海道や東北、上越から北陸、四国、九州には被害が起きて欲しくない。だからといって東京ならいいのかといえば、こんなことを言うと怒られるが、食べ物を作っているところが被害に遭うよりはまだマシだと思ってしまう。工業や経済はお金をかければすぐに復旧できるが1次産業ではそういうわけにはいかない。
地球温暖化のような急激な環境の変化で、適度に降って適度に晴れるといった自然のバランスが崩れかけているのだろう。

ニュースやワイドショーでは「関東地方の今年の梅雨明けはいつになるのか」といった話題が出始めているが所詮、梅雨明け宣言はあくまでも気象庁の人が行うもので、宣言をしたからといってお天気の神様が「わかった」といって本当に梅雨が明けて夏になるという保証は全くない。明けようが明けまいが気象庁が何と言おうが、早く夏のギラギラした日差しに戻ってきてもらいたいと思う今日この頃である。