「新しいものが出たらまず疑え」と言うのがボクの基本的な考えだ。世間はウソと誇大広告に満ち溢れている。ボクも若い頃から多くのものに騙されてきた。「〇〇するだけであなたの悩みも簡単に解決!」などというキャッチコピーを鵜呑みにしていくつものまがい物を買った。「なんとなく良さそう」とか「これがあったら便利そう」と思うとすぐに欲しくなるたちである。つまりいいカモだ。

ネット社会になってAmazonなどで簡単に買い物ができるようになってからはそれこそワンクリック、「ポチッ」とすれば翌日には送られてくるのだから浪費という悪い病は急速に悪化した。だからうちには使いもしないガラクタのようなものがドッサリとある。買ってから年に1回どころか1度しか使ったことのないものなどいくらでもある。

ところがコロナ騒ぎになってちょっと様子が変わった。世の中がテレワークになりオンライン会議だって個人でも普通に使われるようになった。トイレットペーパーや米・小麦粉が買い占められて品薄になったように、パソコンに取り付けるWebカメラやマイクとヘッドホンが一体になったヘッドセットが売り切れて手に入らなくなった。でも安心してください、ボクのガラクタ箱の中には全部入っていました。

今まではオンライン会議は職場のテレビ会議しかやったことがなくパソコンのカメラなどSkype(スカイプ)という古くからあったパソコンを使ったテレビ電話でしか使ったことがなかったが、ここにきて急に必要になった。おそらくそんな人が多かったのだろう。一時は中国からの輸入が途絶えたこともあってネット通販でも軒並み品切れになったり価格が高騰したりした。

ボクはガラクタ箱の中から使っていなかった数々のアイテムを掘り出して使ってみることにした。もちろんあまりにも旧型で今では使えなくなったものもあったが大抵は正常に動作した。そしてオンライン会議はもとより、パソコン通信時代からちょっとバカにしていたネット飲み会にまで手を出した。今ではFacebookやLINEなどがいろいろなサービスを行っているのであっという間に環境は整った。

仕事関係の人は割と近くにいるのだが、ボクの友人たちは割と全国に広く住んでいる。その友達を「久しぶりに飲まない?ネット飲み会で」と誘うと「面白そうだからやってみるか」と誘いに乗ってきた。もともと古くからの中のいい友達だ。ネット越しに久しぶりに(ボクの世代の「久しぶり」は20〜40年ぶりということが多い)ネット越しに御尊顔を拝見するとそれなりに年季は入っているものの懐かしいものだ。今の近況報告や友達の噂話などしているとあっという間に1〜2時間が過ぎていく。

かつて携帯電話にカメラが付いて「写メ」なるものが話題になったことがある。「写真付きのメールを送ろう!」とボーダフォンが始めた。最初の頃は「電話にカメラをつける意味がわかんねー」などとバカにしていたが、今ではカメラのないスマホやケータイなどないくらいに普及している。もちろんSNSの進歩と流行があってのことだが、ずっとバカにして使わないでいればその価値や面白さはわからない。

新しいものでもなんでも使ってみなければ良さがわからないものはある。もちろん今では若い頃と違ってかなり注意深く疑うのだが、とりあえず害がなく普段の生活シーンを思い浮かべてヘビーローテーションしそうなものならとりあえず使ってみることにしている。もっとも使ってみたらやっぱりダメだったということがはっきりするものだってある。それでも後悔はあまりしない。何事も経験だ。授業料だと思って諦めることにしている。