話半分

最近では何かわからないことがあるとパパッとネットで検索することが多い。辞書を引こうにも何を調べたらいいのか考えあぐねている間に、関係のありそうな単語をいくつか入力してググれば何らかのヒントが得られることもある。しかし最後は辞書だ。辞書が絶対に正しいということはないが、少なくとも書いてあることについて責任の所在ははっきりしている。

ネットの情報は女性週刊誌のようなもので、一見もっともらしいことが書いてあってもほとんどは裏が取れていない無責任な情報が多い。ほとんど個人の独断のようなことがさも正しいかのように書かれているのは誰もが目にしているに違いない。ただの思い込みやひどい時には勘違いということもある。特にネットニュースなどは他のソースをコピペしているだけのことも多く、責任の所在も曖昧だ。

ネットに書いてある情報はどれも話半分かそれ以下だと思っていないといけない。鵜呑みにして他の人に吹聴したりすると思わぬところで恥をかくことになったりしかねない。

「百聞は一見にしかず」と言われるが、実際に自分の目で見たものはかなり確実な情報ソースだ。「ネットニュースに動画が出てた」といってもその動画は加工されたり改変されていないとも限らない。SNSに表示される広告動画を見ていると「一瞬でしつこい汚れがスッキリ!」などというコピーとともに高圧洗浄機で汚れを落とすシーンが流されたりしているが、よーく見ていると高圧洗浄機の水が当たる前から汚れが落ちていく様子が写っていたりする。「かかとの角質が一瞬でスベスベに」という美容機器の宣伝でも、器具が触れる前からお肌はどんどんとツルツルになっていく。ただの加工映像だ。

しかし自分の目の前で起きたことは信じざるを得ない。特に目の前の数10センチで繰り広げられた光景は誰でも信じてしまう。ボクが今まで一番驚いたのはプロのテーブルマジシャンだ。「後ろに回って見るのはダメ」と言われたが、ホンの30センチほどの目の前で花やハト、カード、水が跡形もなく消えてしまったりまた姿を現したり、ボクの来ている服のポケットから出てくるのを見た時には本当に驚いた。

おそらくはタネを明かされてもシロートにマネのできるモノではないだろうとは思ったが、それを目の前で見せられると「この人も同じ人間なんだし、自分にできないはずがない」などと思ってしまうのだから愚かなものである。

目の前で見せられても信じられないことをネット記事を読んだだけでわかろうとするのはいかにも愚かなことだと思う。あの時に、これからは少なくとも自分が目の当たりにしたことだけを信じて生きていこうと決めたのだった。

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