漢字とカタカナ

カナは仮名である。主に漢字の音節(発音)を表す文字だ。仮名の対義語は真名(まな)で正式な文字のこと、つまり漢字のことをいう。日本語の漢字仮名交じり文は世界でも独特の文化で、中国や朝鮮から仏教とともに輸入された漢字を簡略化して発音を表す文字を作ったのだろう。おかげで日本語の表現力は豊かになった。

ところでちゃんとした漢字がある単語なのにあえてカタカナやひらがなを使って表現する事はないだろうか。あなたはそれを使い分けることをしているだろうか。ボクは本来の意味を茶化すためにあえてカタカナで書くことがある。例えば「外国人」。

略して「外人」だが、おそらく世界中でも外人という言い方をする国は少ないのではないだろうか。日本には古来からアイヌ民族や琉球民族などはいたが、多くは本州あたりを拠点とした大和民族だった。もちろん大和民族といっても日本列島で独自に発生したわけではないから、他の土地からやって来て今の日本列島に住み着いた祖先を由来としている。その後、日本は物理的に大陸から切り離されて島国となって大陸などから隔離されてしまい交流が少なくなった事で、いわゆる”ガラパゴス”のように独自の文化が出来上がった。

だから特に中世のスペイン人やポルトガル人、オランダ人のような人たちが頻繁にやってくるようになるまでは自分たち(大和民族)だけの文化が純粋培養されてきた。そして明治維新や終戦を迎えて海外から日本にやってくる人たちが増えてもすぐには日本語や日本の文化に馴染むことができなかったために「外人」と呼んで区別したのかもしれない。

ボクが外人を「ガイジン」と書くときにはそういった日本人の他民族に対する排他性を強調したり、日本の文化に馴染めない外国人の傍若無人な振る舞いを蔑視するときに使ったりする。

漢字は表意文字だが、ボクにとってのカタカナも単語になってしまえば別の意味を持つことがある。それを読み手がどう受け取っているのかはわからない。それでも文章の中で同じ単語であっても、敢えて漢字とカタカナを使い分けることでその意味の違いを汲み取ってくれる人が一人でもいるならそれでいいと思っている。

ところで福島県の会津地方にあるラーメンで有名な喜多方市では、街の中の商店の看板や店先に古代の漢字をあしらった文字を使って「漢字のまち」というコンセプトを押し出して観光資源として街のPRをしているのだという。古い町並みの中にはその店を象徴するような古代の漢字を大きくフューチャーした看板が並んでいる。それらを見てみると、それらの文字には象形文字のような絵から発展した文字が多く見受けられる。これこそが漢字の表意性を表す大きな特徴の一つだろう。

漢字をカタカナやひらがなで書くことで単語に別の意味を持たせる事は、漢字仮名交じり文を使っている日本語の表現力を豊かにする事はできるのだが、それは真名である漢字があってこその話だ。だからこそこれからも漢字を大切にしていきたいと思っている。

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