無情報番組

昼のワイドショーとは別に朝の情報番組や深夜の情報番組というのがテレビで放送されている。一見ニュース仕立て風なのだがまぁ娯楽バラエティーの一種だ。最近のニュースの中で世間で話題になっているものを取り上げてそれを”ちょっと深掘りしたお得な情報”ということになっているらしい。

一見するとお笑い芸人の他にニュースに出てくるような局のアナウンサーもメンバーに入っていたりして「もしかしたら目からウロコの情報が聞けるかも」と期待する人もいるかもしれない。番組の流れは最近話題になっているニュースの概要を開設した上で街を歩く人のインタビューなどから始まり彼らの”お困りごと”を抽出してから”自称”専門家の”先生”をスタジオに呼んでありがたいお話を聞くというテッパンの構成だ。

この”自称”専門家というのが曲者で、福祉や医療、健康問題などの話題にも「国際弁護士」や「教育評論家」などという人が出てくることは普通である。どう見ても”専門家”には見えないし街を歩く”一般人”以上の話ができるわけでもない。それはワイドショーに出てくる年増俳優たちとあまり変わらないのだ。

たまにその道の専門家が出てくることもあるが「じゃあどうしたらいいんでしょう?」などという問いにスパッと答えられるわけもなく「それは心のケアが大切です」などと台本に書いてあるようなセリフを棒読みするに過ぎない。そもそも画期的な解決策があれば問題はすでに解決しているのだ。誰も解決策を見つけられないから問題になっているのである。

この2週間ばかりテレビから流れてくるのは「密閉、密集、密接を避けて手洗いとうがいをキチンとしましょう」というセリフだけだ。誤解されては困るがこれらのことは今に限らずとても大切なことでインフルエンザやノロウイルスなど他の感染症対策の基本となる。この対策は「基本のキ」であって絶対に欠かすことはできない。しかし情報番組というからには誰もがそれ以上の画期的な情報を求めてくるのだ。

しかし治療薬もない今の段階では「一人一人が感染を広げない努力をして、かかってしまったらなんとか頑張って自分の力で治しましょう」としか言えない。それでも重症家して死にそうになっている人には人工呼吸器をあてがってあげられるかもしれませんというのが精一杯だろう。そして重要なのは肺炎という症状は新型コロナウイルスに限らずかかって重症化すれば誰でも息ができなくなって簡単に死んでしまうというおそるべき病気だということである。若いから健康だからといって肺炎にならないなどという保証はどこにもない。

「当たり前のことさえしなければあなたは肺炎で死ぬ確率が何十倍にもなりますがそれでもいいんですね」ということである。感染するかしないかではなくあなたもかかれば死ぬかもしれないということだ。「正しく恐れる」などといっている時でないことは今のアメリカやヨーロッパでゴロゴロと人が死んでいるのを見ればわからないはずがない。この結論をハッキリと言わなければ「情報番組」としての価値はないに等しい。

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