通販生活

時代がまだ昭和だった頃、月賦(分割払い)や通信販売で何かを買うことには、ちょっとしたカッコ悪さがあった。月賦は、言ってみればいわゆるひとつの”借金”である。家や車を買うならいざしらず、他人様に借金してまで買うほどのものなのか、という考えは庶民の一般家庭では割と一般的だったと思う。
通信販売は僕たち子供にとってはもっと身近にあった。そう、マンガや雑誌の巻末には必ず「ペンパル(文通友達)募集」「日ペンの美子ちゃん(ペン習字の通信教育)」とともに「幸運のネックレス」だの「奇跡の石」だのといった得体の知れない物を通信販売で売るコーナーが必ずあった。当時は代金を郵便切手で送れば買えたように思う。しかしそういったものに迂闊に手を出すと、ロクでもないガラクタのような物が送られてきたり、悪質な業者だと梨のツブテになってしまうことも少なくなかった。だから当時の大人たちは子供に「通信販売に手を出さないように」ときつく言いつけたものである。

時代が変わって平成、いやその平成も間もなく終わろうとしている現代では、ネット販売が全盛である。ネットで欲しいものを検索してポチッとクリックすれば翌日には商品が届くようになった。商品が届かなかったりヘンな物が送りつけられることもほとんどなくなった。代金の支払いはクレジットカードになったが、そこは相変わらず”借金”である。それでも昭和の頃に比べれば日本人のクレジットカードへの信頼度は格段に高くなっている。

僕は日々の生鮮食品以外の物はほとんどをネット通販に頼っている。このBLOGを打っているパソコンもテレビも冷蔵庫も洗濯機も、果ては傍らにおいてあるゴミ箱だってネットで買ったものである。ホームベーカリー用の小麦粉も10袋まとめてAmazonで取り寄せている。だって欲しい物を買おうと思ってわざわざお店に行ってもお店にはモノがないじゃない?それならネットでポチッとしたほうが早く確実に安く手に入るのだから。
スマホが普及してインターネットを皆んが使うようになって日本のお店は変わった。お店にはモノがなくなった。小規模なお店は確実に減っている。お店でモノを買う時代ではなくなったのだと思う。それでも床屋と銭湯はまだまだネット時代にはなりそうもありませんな。