七難隠す

七難を隠すものは色々あるが降り積もる雪もその一つだ。子供の頃、家にいても夜になって雪が降り始めると次の朝起きるのが楽しみだった。ボクが住んでいたところではたまに雪が降ることはあっても積もることはあまりなく、数年に一度だけうっすらと雪化粧する程度だった。

雪が積もった景色は好きである。普段のなんとなく汚い景色が全部雪を被って隠されてしまいほぼ白一色の世界になるからだ。雪国に住んでいる人にとっては厄介な雪だが都会に住んでいる人にとっては故郷を思い出すものかもしれないしいつもとは違う音のしなくなった世界は都会の喧騒を忘れさせてくれる。

この冬の東京周辺では積もるどころか雪が降ることすらほとんどなかった。ボクの住んでいる神奈川県の湘南ではまったく降らなかった。遠くに見える富士山や丹沢連峰の山々でさえ軽く雪化粧した程度である。街の風景はいつもとまったく変わらず新鮮な気分になることもなかった。来週にはソメイヨシノの開花も予想されているからもう降る可能性もほとんどない。もっとも数年前には桜が咲いてから雪が積もったこともあったからこの先のことは神様しか知らないがあまり期待しないでおくつもりだ。

「臭い物に蓋をする」とは昔からよく言われる。困ったことがあってもとりあえず見えなくなればそれでいいとするやり方だ。原因はどうあれ蓋をして隠してしまえば解決だと思っている人は根本的に原因を突き止めて解決するどころか対症療法すらしない。臭いものに蓋をすれば腐ったものは見えなくなっても臭いは漏れ出してくる。周りの人が「なんだか臭くない?」と不審に思っても知らないふりを決め込んで「え、そう?」などと言っている。でも間違いなく自分もその臭いに気づいているはずだ。

しかしながらどうも永田町あたりに生きている得体の知れない生き物どもは臭いに鈍感らしい。

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