ガイドライン野郎

今年に入ってから中国を震源地とする新型コロナウイルスによる肺炎の拡散が収まらない。政府は「かかったかな?」と思った時に医療機関に相談するかどうかの目安というものを作って発表した。いわゆるガイドラインである。吉か凶か、善か悪か、白か黒かを判断しようと思えばそれを判断するための線引きが必要になる。その線より上回っていれば「やるべし」だし下回っていれば「待つべし」ということだ。これならいちいち悩むことなくスッキリしていて気持ちがいい、と思われがちだ。

すぐにガイドラインを作りたがる輩は多い。その筆頭がお役人だ。しかし世の中の出来事や人の心なんてそんなにスパッと割り切れるものだろうか。法律だって裁判官の意見が割れることもある。

「37.5度以上の熱が4日間続いたら医療機関に相談すべし」なんだという。じゃあ37.4度だったら放っておけばいいのか?ある日は37.7度だったが翌日になったら37.3度、次の日になったらまた37.6度に上がってしまった時にはどう判断するのか?ガイドラインは万能ではない。医療機関に患者が殺到しないようにこんなものを発表したのだろうがはっきり言って医療を受ける立場からすればあまり役に立たない。

またこんな人もいるかもしれない。「ガイドライン以下だったから病院に連れて行かないでいたら急に苦しみ出して死んでしまった。どう責任を取ってくれるのか」などなど。ガイドラインは発表する人と受け止める人が何も考えなくても判断できるように作るものだが、病状などは個人差が大きいものの最たるものである。そんな基準だけで判断せず「こりゃ危なさそうだな」と思えばガイドラインに達していなくても動き出すべきなのだ。

お役人は”ルールさえ作ってしまえばそれで終わり”だと思っているようだが現場で働く医療従事者はそんなに単純に判断はしていないはずだ(いやしている人も中にはいるかもしれないが)。

現代に生きる我々は何も考えずにルールに当てはまるかどうかだけで判断すればいいようなシステマティックな社会に慣れすぎている。この感染症がこの先どのような展開になるのか予断を許さないが、こういう時こそ自分の頭と知識と経験をフル活動させて自分なりの判断をした上で然るべき処置をすべきなのではないかと思っている。

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