セロテープ

久しぶりに運動して筋肉痛になってしまったときあなたはどうしますか?無意識に「サロンパスどこにあったっけ?」なんて口にしていませんか? 「セロテープなかったっけ?」「セメダイン知らない?」「味の素取ってよ」なんてセリフも日常の普通の会話だったりします。商品名がある種類のものを総称してしまうことは結構あります。そうなったらそれはもはや代名詞だと言ってもいいでしょう。

かつて日本でもインターネットが普及し始めて多くに人がネット検索を始めた頃、それまでは「Yahoo!検索」が一般的だったのにあるときにアメリカのGoogle社が検索エンジンに参入してきました。検索性能も使い勝っても良かったことから一部のネットユーザーの間で急激に普及しました。しばらくすると検索エンジンとしてYahoo!を抜いて業界第1位に躍り出ます。その時に多くの人が使い始めたのが「ググる」という言葉でした。

「ググる」とは「Googleを使ってネットを検索する」行為を指します。ある出版社ではそれを国語辞典に載せるかどうかという議論にもなりました。これを知ったGoogleは慌てます。「ググる」が一般語になってしまうと「グーグル」という登録商標が使えなくなってしまうかもしれないからです。出版社に対しても「それだけはやめてください」とお願いしたとかしないとか。その後の詳細はわかりませんが今でも「グーグル」や「ググる」という言葉は現役で残っています。おそらく独占禁止法にも抵触する可能性が出てくると危惧したのでしょう。ちょっと考えれば企業名や商品名は有名になればなるほどいいように思いますが、あまりにも一般的になりすぎると副作用もあるのだなぁと感じた出来事でした。

NHKでは昔から「セロテープ」とは言わずに「粘着テープ」と呼んでいます。「味の素」も「うま味調味料」ですし「セメダイン」は「(合成)接着剤」です。商品名を言ったほうが誰にとってもわかりやすいのですが色々な事情でそうなっているようです。

世界的に「コーラ」と言えば一般に「コカ・コーラ」のことを指します。ご存知の通りコーラには「ペプシ」やオリジナルのレシピを使ったコーラも存在しますがお店で注文した時に店員さんが持ってくるのはコカ・コーラです。スペインに行った時に「コーラ下さい」と言ったら「ダイエットですか?」と聞き返されることはあっても「ペプシですか?」とか「どこのメーカーのですか?」と聞かれることはありませんでした。

それほどまでに社会の常識になっているのです。昭和の時代に化学調味料が一般家庭に入り込み始めた頃、家庭ごとに使っている調味料が違っていることがありました。家によっては「ハイミー取って」などと言っているうちもありましたが「うま味調味料かけたほうが美味しいよね」などという会話は聞いたことがありません。

わが家にセロテープは置いてありません。常備しているのは「スコッチ・メンディングテープ」です。でも”それ”を使う時には「セロテープどこにあったっけ?」などと言ってしまう習性はおそらく死ぬまで治らないのだろうと思っています。

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