テレワーク

テレワークとはネット回線などを使って職場以外の場所で仕事をすることだ。それは自宅でもいいしレンタルオフィスやカフェなどでもいい。要するに通勤しなくても仕事ができるという環境を作ることだそうだ。実際ボクもサラリーマンの頃には社外に外出する時にはノートパソコンからインターネットで会社のサーバに接続したりメールやネット会議システムなどで仕事をすることもあったのでさして新しいテクノロジーではない。

2020東京オリンピックの開催期間中の都内の交通混雑が懸念されている。海外から多くの外国人がやってくるだろうし日本人の移動も大幅に増えるだろう。それが首都圏の通勤ラッシュと重なれば大混乱になることは目に見えている。その対策として国や都が一般企業や官公庁に推奨しているのがテレワークである。都内に出勤するサラリマンを減らして混雑を緩和しようというわけだ。

基本的にそれはいい考えであり実現すればそれなりの効果もあるだろう。しかしだ、オリンピック開催期間中にテレワークで仕事ができるのならなぜ今からやらないのか。首都圏の通勤事情は各方面の努力や改善もあってかつて「通勤地獄」と言われた頃からみれば随分緩和されている。それでも朝夕のラッシュアワーには電車やバスの中では立錐の余地もないほどに混雑する。そのために消耗する体力も経済的損失も非常に大きい。誰にとっても決して快適な環境でないのは事実だ。

日本では会社でなにをするかはあまり重要ではない。遅刻しないで時間通りに会社に行って終業時間まで席に座っていることが一番重要だ。さらに残業して仕事をしているように見せていれば評価はさらに高くなる。もっとも最近では「働き方改革」が叫ばれており名目的には”無駄な残業をしない”社員がいい社員だと言われている。何れにしても「会社に従順な社員」であることがもっとも大切な資質だと思われていることは間違いない。

だからオフィスに社員がやってこないテレワークなど経営者や上司にとっては以ての外なのだ。まずは朝早く出社して上司にきちんと挨拶のできる社員がデキる社員というわけである。ほとんど小学校と変わらない。遅刻しない、忘れ物をしない、挨拶をする、ごめんなさいと言えるなどアホらしい基準で社員は評価されている。いくら仕事ができてもテストの点数が良くても上司や先生に反抗的な生徒は悪い生徒なのだ。

日本人はコトやモノの本質を評価することが苦手だ。本質を見極めることはいつでも難しいしそんなことができる人も少ない。だから目に見える誰でもわかる基準で評価しようとする。いい評価を得たければその基準から外れないように努力する。そして金太郎飴のような同じように揃った没個性の人間が大量生産されるというわけだ。

おそらくオリンピックが終わればテレワークは廃止され今までのようにラッシュの電車に揺られて痛勤するサラリーマンの姿が見られることだろう。でもおそらく多くのサラリーマンもそれを望んでいる。他の誰かと違うことをしたり上司に”見守って”もらうことが快感になっている。会社に行ってさえいれば仕事ができなくても一定の評価が得られるのならそれに越したことはない。

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