ズルする人と規制強化

中学生の頃、男子の制服は学ランだった。一部のヤンキーな生徒はやたらと丈を長くした「長ラン」やカラーを高くした「ハイカラー」なんていうものを着たり裏地に派手な刺繍を施したスペシャルなものを好んで身に付けたりしていた。女子は女子で丈の長いスカートであたかも袴のようなズルズルした格好が流行っていた。校則には「制服の改造は禁止」と謳われていたがそんなものはほとんど効果もなかった。そこで教職員がとったのは登校時の校門での服装チェックだった。物差しで制服やスカート丈を計り、”不適切”だと烙印を押された者はお仕置きを受けるというシステムだ。

普通のお仕着せの制服を着ている者には全く関係なかったのであまり気に留めたことはないのだが、時には面倒くさく思う規制強化がなかったわけではない。

昼は家からお弁当を持ってくるか購買部でパンや牛乳を買って食べるシステムになっていたのだが、午前中の授業が終わってから購買に行くとそこには全校から生徒が集まるので長蛇の列ができていてとても時間がかかる上に品数も減ってしまって最後にはジャムパンしか残っていないということもしばしばだった。別にジャムパンが嫌いなわけではないがせっかくならジャムパン3個よりも焼きそばパンやカレーパンも選びたいところだ。

そこでボクは登校前に最寄りの駅から学校までの道すがらにあるパン屋であらかじめお昼のパンを買ってくるようにしていた。ところが隣のスーパーでカップラーメンやジュースを買ってくる者もいてそれが教職員の気に入らなかったらしく「登校前の買い物は禁止」というお触れが出てしまった。生徒会では「教員の横暴だ!」と猛反発したのだが(当時ボクは生徒会の役員だった)あっさりと強引な理屈で学校側に押し切られてしまった。

これはカップラーメンを作るためのお湯をみんなが用務員室に貰いに行ったために用務員さんの負担が増えたという現場の苦情から規制されたのだと思うが、学校のお昼休みにジュースを飲むという行為も先生たちの気に障ったのかもしれない。そのせいで朝、パンを買って登校することもできなくなってしまった。生徒にとってもパン屋にとってもいい迷惑である。もっともこの規制はパン屋から学校に苦情が入って間もなく取りやめになった。

ズルする人がいるから規制が強化される。普通のことをしている範囲なら規制が強化されることはあまりない。しかしちょっと枠を外れてズルいことをして管理者の気に障るとたちどころに規制は強化される。規制が強化されるとズルしない人も損をする。規制は十把一絡げにしないと必ず抜け道を作るやつがいるのでザルになる。でも規制が強化されることでズルする人が排除されるので世の中の仕組みも上手く回り始めることもある。

何でもかんでも規制緩和すればいいというわけではない。ズルする人や悪いことをする人がいる限り規制は必要になってくる。でもズルする人は絶対にいなくならない。

一番ズルするくせにほとんど規制されていないのが国会議員だ。そりゃそうだ、自分たちが規制されて不利益をこうむるような法律は作りたがらないに決まっている。国民がズルするのは我慢できなくても自分だけはズルしたいのだ。だから政治資金規正法などはまったくのザルである。あちこちに穴をあけて言い逃れができるように作ってある。

それなのに最低限しかないルールに引っかかってしまう人がいるのは脇が甘いとしか言いようがない。それも国務大臣だったりするのだから頭が悪いし意識も低いのだろう。そんな人を何度も大臣に任命してしまうどこかの東洋の島国の首相もさらに脇が甘いし頭が悪いと言わざるを得ない。まったく何をやってるんですかねぇ。

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