人生いろいろ

もうずいぶん前の話だが時の総理大臣・小泉純一郎氏が自分の厚生年金加入問題の件の答弁で「人生いろいろ、会社もいろいろ…」と発言して話題になったことがあった。これはもちろん島倉千代子さんの♪人生いろいろ♪から引用していることは間違いないが、総理大臣もいろいろだなと思ったものだ。そんなことはどうでもいいのだが、今日は人生の中でも人それぞれに物事の流儀は違うものだという話をしてみたい。

ボクが初めてドラムスを叩いたのは高校1年生の時だ。バンドを組んで練習スタジオに入ったとき、ボクはギターの担当だったのだが休憩時間に急にドラムスを触ってみたくなってイスに座ってみた。見よう見まねでスティックを握り叩いてみたのだが全くリズムにならない。そこへ友達が「基本のパターンだけでも叩ければカッコがつく」と言うのでそれだけはマスターしようと教えを乞うことにした。

ドラムセットは一番大きなバスドラム、左足を使って開いたり閉じたりするハイハットシンバルにいわゆる小太鼓のスネアドラム、バスドラムの上に付いているタムタムや何枚かのシンバルの組み合わせで出来上がっている。人それぞれにセットの内容は違って決まりはないが基本的にはそんなところだ。基本パターンはバスドラ、ハイハット、スネアの3つを使ってリズムを刻む。

初めてのドラムスの練習でも以前からドラムスを叩いていた友人は、右足のバスドラ、右手のハイハット、左手のスネアドラムを別々に練習してそれぞれが叩けるようになったら全部を合わせるべしと頑固に主張した。それぞれを別々に叩くのは言ってみれば簡単なことだ。バスドラは一拍目から”ドンッ、ドドンッ”を繰り返し、スネアも左手で裏拍を”ダンッ、ダンッ”と叩けばいい。ハイハットは8分音符で”チ、チ、チ、チ”を繰り返す。いとも簡単なことだ。だがそれを合わせようとすると手足がバラバラになって頭もバラバラになる。「イーーーーッ!」となって発狂しそうだ。そのやり方ではボクは30分やっても全く叩けるようにならなかった。

ボクは何であれ、いい加減な状態でもザックリとひな型を作ってそれを改良しながら完成に近づけていく方法が自分には合っているように思っている。最初に大まかなイメージを作ってみてそこから発想を広げていった方が連想が広がってアイデアも膨らむような気がしている。だからドラムスでもそのやり方でやってみた。

バスドラ、ハイハット、スネアをものすごくゆっくりと譜面通り(太鼓にも譜面はあるのです)に叩いてみて全体の手足の動き方や動作の関連を覚える。手足をゆっくり動かしてみると基本的な動作を体が覚える。ゆっくりとでもリズムを刻めるようになったら徐々にスピードを上げていく。そのやり方に切り替えたら5分で基本のリズムは叩けるようになった。もっともそれが叩けただけでは曲にはならないのだが、とりあえず基本がわかるようになるとその先に進むモチベーションが湧いてくる、ような気がする。そんなことでさえ人それぞれに向き不向きはあるのだなと思ったのだった。

学校の部活でも新入社員でも新しい趣味でも、何かを始めようという時には最初は初体験だ。誰だって2度目から始めることはできない。初めて何かに挑戦するときにはまず自分に合ったやり方をいくつも試してみてその中から「このやり方だと自分はやりやすい」という方法を見つけて行くのもいいと思う。マニュアルや教則本には比較的多くの人に向いている(と思われる)やり方が載っているが、人生いろいろ人もいろいろいるように、やり方もいろいろだと思っている。まずは自分に合ったやり方を探してみるというそこから始めてみてはどうだろうか。

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