指紋認証していますか?

先日、ひょんなきっかけで「反応拡散波理論」のあらましについての本を読む機会があった。そもそもボクは反応拡散波という言葉自体初めて聞く言葉だったし全く興味もなかったのだが、ある知人がその本に自らが撮影した写真を提供したということでSNS上で紹介されていたのだった。

 この本のタイトルにある「フィボナッチ数」というのはかつてボクが高校生だった頃にどこかで聞いたか本で読んだことがあって記憶の片隅に残っていた。確か巻貝の貝殻のらせん構造の形を数学的に分析すると正確なフィボナッチ数で構成されているとかなんとかいうものだったような気がする。その時には受験勉強もあって深入りすることもなく過ぎ去ってしまったのだが、数年前にスペインのバルセロナで見たサグラダファミリア大聖堂の設計にもフィボナッチ数が使われているという話を聞いたことから再び興味を持っていたのだ。

本の内容についての細かい説明は割愛するがのっけから「亀の甲羅は固いのになぜ成長できるのか?」とか「なぜエビやカニは脱皮するのか?」といった話が始まりいきなり吸い込まれてしまった。次には「シマウマの縞模様はなぜできるのか?」という話になってここから反応拡散波理論というものを使うとうまく説明できるという話になる。そもそも自然の景色の中での縞模様は明らかに目立つ存在でありシマウマのような草食動物にとっては不利なはずだ。それなのに…という?をわかりやすく説明していくわけだ。

本書の中盤以降になるとヒョウ柄やキリンの網目模様、マスクメロンの皮にあるひび割れ模様の作られ方から指紋(手相)の作られ方を反応拡散波の一種であるTuring波というもので説明しようという試みが始まる。どこまで実際の検証が進んでいるのかについては触れられていないのだが、指紋や手相のでき方は反応拡散波の理論である程度説明ができるのだという。

指紋といえば最近では銀行ATMやスマホのロック解除にも指紋認証が使われることがある。スマートフォンの指紋認証を登録したことのある人はご存じだと思うが、登録時には10回ほどもかけて詳細な指紋を読み込ませてスマホに登録する。しかしロック解除時にはほんの一瞬で認証されるのは実に不思議に思っていたのだが、解除時に読み取った不完全な指紋を反応拡散波の理論で補って内部でより完全な指紋を作り出して登録されている完全な指紋データと照合するのだという。そうすれば不完全な指紋データでもスマホのユーザ認証程度には十分耐えるらしい。

スキューバダイビングをしていると海の魚の色や柄は千差万別で特に幼魚などでは鮮明な縞模様をしているものがたくさんある。子鹿のバンビやイノシシの子供のウリ坊には目立った斑点や縞模様が見られるが成長に従って単一色に近い地味な体色に変化する。馬や羊などは体に柄などの模様はないが多くの牛には柄があるものがいる。柄などない方が自然界では目立たないはずだがそうでない動物はたくさんいる。どうして柄や縞模様ができるのかを研究している一部では反応拡散波理論が見直されているのだという。

自然界はまだまだ不思議なことだらけだがこんなところから少しずつ不思議が解決されていくのかもしれない。それぞれの研究の一つ一つは大変地味なものだが、こうやって子供や若い人たちの興味を引く話がもっと広がれば、「はやぶさ2」以外にも科学に興味を持ってくれる子供が増えるのではないかと大いに期待している。

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