どっちが得かよーく考えてみよう

僕が小学生の頃、いや西暦2000年頃まで、カメラはフィルムカメラだった。35ミリフィルム(フィルムの幅が35ミリのもの)には12枚撮り、20枚撮り、36枚撮りがあって、その枚数を撮影してしまったら新しいフィルムに交換しなければいけなかった。フィルムもそれなりに高価で、

36枚撮りのカラーフィルムなどは当時1本700円以上したものである。だから撮影は慎重に、ムダな写真など撮るわけにはいかなかった。
時代は変わって今や写真といえばデジタルである。デジタルカメラがボーダフォンの携帯電話に搭載された頃には「電話にカメラ付けてどーすんの?」などと言われたものだが、今のスマホにはほぼ100%カメラが付いている。記憶メディアも安くなって撮影できる枚数は無限大になった。「お正月を写そう♪フジカラーで写そう♪」の富士フイルムは化粧品メーカーとなりさくらカラーの小西六もなくなってしまった。それはおろか、世界で最初に商業用写真フィルムを開発した世界最大のフィルムメーカー、イーストマン・コダックも2010年に経営破綻している。

フィルム全盛のあの時代に欽ちゃんことコント55号の萩本欽一さんがブラウン管の中で叫んだ。20枚と24枚のフィルムの箱を手に「4枚増えて値段は同じ。どっちが得かよーく考えてみよう」。子供ながら、ここまであけすけに言い放つなんて、すごい時代になったものだ、と。一般に「比較広告」と呼ばれているこういうやり方はマーケティング先進国のアメリカではすでに一般的で、ペプシがコカ・コーラを敵として登場させ「勝ったのはペプシ」などとやっていた。欽ちゃんはライバル製品を具体的にしなかったので正確には比較広告ではないんだけれども…。
デジタル時代では考えられない懐かしの昭和のコマーシャルである。