コトワザ

コトワザは諺だ。古来からの言い伝えだったり、経験から得た知恵だったり、人生訓だったり、戒めだったりする。それらは深い含蓄に富んでいる。しかし先日読んだ本でコトワザには”言葉”の”技”という意味もあるんだという話を読んだ。言葉を自在に操って人生の、社会のその奥にある真理を言い当てているのだからまさに言葉の技というにふさわしい。

一見変わっているように見えて普通のことや一見普通のことのように見えて変わっていることを、先入観を取っ払って素直に表現することが”コトワザ”の始まりなのだという。普段から漠然とアタリマエだと思っていることもよく考えてみれば恐ろしく複雑な偶然から成り立っていることもあるし、奇跡的な偶然が重なって起きたように見えることだって必然だということもある。

アタリマエのことだってウワベだけを見ていればアタリマエに見えないことはたくさんある。それをわざわざコトワザにすることで「そうだよなぁ、考えてみれば当然そうなるよな」と納得させることができるのも諺の力ではないだろうか。

劇作家の井上ひさしさんはエッセイの中でこんなことを言っている。

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことはあくまでもゆかいに

諺にはそんな力も宿っているような気がする。もちろんその使い方ひとつで面白いことをつまらなく退屈なものにしてしまうことだってある。だからボクはこれからも言葉の技を磨き続けていきたいと思っている。

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