待ちぼうけ

駅の改札で待ち合わせる。まだケータイがなかった頃には普通の光景だった。駅の改札口には「伝言板」と書かれた黒板が掛かっていてそこには「先に行く。バカヤロー!」「ヒロシ、愛してる」などというメッセージが書かれていたりした。そして片隅には「3時間が過ぎたものは消します」と書かれている。たぶん3時間というのが一般的な待ち合わせの限界待ち時間だったのかもしれない。

待っても待っても相手が来ない。自宅に電話しても誰も出ない。駅前の本屋に入って時間を潰そうかとも思うが、次の電車で着くかもしれないと思うとその場を離れられない。その場を離れている隙に相手がやって来たら「あぁオマエも遅れてきたのか?」などと言われかねない。こっちは既に1時間も前から待っているのだ。そんなことをいわれたら癪だ。

結局3時間待っても来ない。「もういいや」と思って駅を後にする。朝から準備をしてここまで来て待っていた時間は何だったのかと思うとやるせない。それまで準備きたことが全くの無駄になるわけだからやってられない気分になる。もう昼過ぎである。今からどこに行ったって何もできない。一日が無駄になった。仕方なく家に帰ってギターの練習でもしてみる。

電話が鳴る。相手は待ち合わせの相手だ。

「あれ?いたの?待ち合わせ3時だよな?」

バカヤロー!3時にしようって言ったら午後から用事があるから9時にしようって言ったのはオマエだろっ!まぁいい、そんなヤツなのだ。相手にするだけアホらしいから黙って電話を切る。

ドラマでよく見る「あなたご飯は?」「あぁ食べてきた」「何で電話くれないのよ!」も同じような状況だ。夕食を作って待っているが何時になっても帰ってこない。10時を過ぎると自分も空腹に耐えられなくなって先に夕食を済ます。0時前になって何食わぬ顔でシラっと帰ってくる。そしてこの会話だ。自分一人だとわかっていれば夕食くらい簡単に済ませたのだ。この時間と労力の無駄をどうしてくれよう!夫婦喧嘩の種などそんなことの積み重ねである。

こんな思いはもうごめんだ、二度としたくない。だからそんな人とはもう二度と待ち合わせはしないしご飯も作らない。それがいい、自業自得だ。

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