信号待ち

横断歩道の赤信号を待っていました。隣で待っていた自転車の中年女性が急に道路へ飛び出しました。でも歩行者信号はまだ赤です。急ブレーキとキーッというタイヤの軋む音。その女性は走ってきた乗用車と接触して道路に転がりました。車側の信号はまだ青です。どう見ても自転車女性の信号無視です。しばらくして車の流れは止まり歩行者信号は青に変わります。僕は横断歩道を渡り始めました。幸い女性は手足を擦りむいた程度で軽傷だったようです。ここは丁字路の交差点に設けられた横断歩道で、自動車側の信号がいわゆる”時差式”信号機になっていました。スマホに夢中になっていたその女性はチラチラと横の自動車用の信号機が赤になるのを見て見切り発車して車に轢かれたようでした。
同じように歩行者信号が青に変わるまで待つことなく、横にある車用信号機が赤になった途端に車道に飛び出す人は頻繁に見かけます。車はそれなりにスピードを出していますから黄色信号で交差点に侵入してくるのは普通です。中には交差点の中で赤信号に変わってしまうこともあります。それでも車は走ってきます。信号の変わりばなは交差点が非常に危険な状態です。それでも赤信号を無視して渡る歩行者は後を絶ちません。
考えてもみてください。見切り発車して稼げる(得をする?)時間はどれくらいですか?たぶん数秒、ほとんどの場合はコンマ何秒です。無理してその時間を稼いで、その人は何に使うつもりなのでしょうか? 陸上競技の選手がスタートダッシュするのならわかります。でも普段の生活の中でコンマ数秒だけ早く目的地に着いたところで、何ができるというのでしょうか?

信号が青から黄色になり、赤に変わります。その時から再び青になるまでの時間を測ってみてください。殆どの場合は30秒もないのです。あなたは節約したと思っているその30秒の間に何ができますか? 日々の暮らしの中ではほとんど意味を持たない数秒の時間を惜しんで、リスクだけを大きくして何が得なのでしょう?