誰にも言っちゃダメだからね

週刊誌やネットに芸能人のスキャンダルが載ると大騒ぎが始まることがある。熱愛報道、不倫、違法薬物などなど、話題は枚挙にいとまがない。芸能誌やワイドショーは一斉に騒ぎ立てる。彼らは雑誌や新聞が売れ、視聴率が稼げるなら何でもやる。それが仕事だからやる。売れれば何でもいいわけだ。それは理解できる。しかしそれは見る人がたくさんいるから、つまり需要があるから供給するだけの話だ。需要がなければ話題にならない。経済の大原則だ。

どうしてスキャンダルは需要があるのだろう。ほとんどの人はそれを知ったことで自分が得をすることはない。お腹が膨れることもない代わりにダイエットもできない。給料や貯金が増えるわけでもないし宝くじが当たるわけでもない。それでも血眼になってスキャンダル記事を食い漁る。そういえば子供の頃にもそんなことがあったっけ。

小学校高学年から中学生ともなるとクラスの中で噂になるカップルが出てくる。アイツはあの子が好きに違いない、あの2人はデキてる、交換日記やってるのを見た(古っ!)、放課後に並んで歩いてるのを見たなどという噂がどこからともなく流れ、あっという間に拡散する。ネットもSNSもない時代だったが噂だけは物凄い勢いで広がった。しかし噂は誰かが聞いたことを他の誰かに喋るから広がる。自分が興味のないことは他人に喋らないから広がらない。でもスキャンダル(?)だけはすぐに広がった。

そこには噂の本人たちはいない。自分たちだけが噂を知らない。もしかしたらそれは”根も葉もない噂”なのかもしれない。実際に噂のほとんどは”ガセ”だった。それでも良かった。噂は拡散させることが楽しいのだ。拡散したって自分は得もしないしそもそも自分とは関係ないことだ。でも他の誰かが知らない情報を手に入れて「内緒だからね、誰にも言っちゃだめだよ」などと言いながら誰かに漏らすのはスリリングでワクワクする楽しみだった。

知らなくても全く困らないことなのに必死になって知りたがる。それがスキャンダルの魅力だ。ホントかどうかわからなくても噂話をするのは楽しい。世の中、確かなことなどそうあるものでもない。男も女も噂話が大好きだ。口が軽い人もそうでない人も噂話には敏感だ。でも本当に大切なことは知ろうともしないし話そうともしない。

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